コシが強くのどごし爽やかな「讃岐うどん」が有名です。日本で初めて国立公園に指定された瀬戸内海国立公園の中心に位置し、豊かな自然に恵まれています。
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高齢化が進み、誰もが不安に思い、そして誰もが罹患する可能性がある認知症。しかし、早期に発見し適切な対策をとることで改善できるといわれています。その早期発見のポイントとなるMCI(軽度認知障害)について紹介します。
認知症は誰にでも起こり得る脳の病気であり、高齢化が進む社会において大きな課題となっています。
その一方で、早期に気づき、適切に対応することで、進行を遅らせたり生活の質を保つことができます。
そこで今、注目されているのが「MCI(軽度認知障害)」です。MCIとは、物忘れなどの症状はあるものの、日常生活には大きな支障が出ていない状態のことで、認知症の前段階ともいえるこの時期に気づき、生活習慣や治療を見直すことが極めて重要だといわれています。
現在、日本の認知症患者は600万人を超えており、さらにその予備軍は450万人以上といわれています。この予備軍というのが、本格的な認知症に進む一歩手前のグレーゾーン、MCIなのです。
MCIの特徴として、「同じ話を何度も繰り返す」「予定を忘れやすくなる」「物事への関心が薄れる」などが挙げられます。しかし、これらは加齢による自然な変化と混同されやすく、見過ごされることも少なくありません。周囲の家族や友人が変化に気づき、受診を勧めることが早期発見につながります。
MCIと診断された人のうち、毎年約10〜15%が認知症に進行するといわれていますが、逆に、食生活の改善、運動習慣、十分な睡眠など、生活習慣を見直すことで、認知症の進行を遅らせるだけでなく、元の状態に回復することも可能です。
一方で、アルツハイマー型認知症は進行性の病気で発症までに20年以上かかるといわれています。つまり80代でアルツハイマー病と診断された場合、病気自体は60代から始まっていたと考えられます。
したがって、症状を感じる前から3年に一度は医療機関での定期的なチェックを行って自分の状態を客観的に把握し、将来に備えることが大切です。

11月3日の「文化の日」は、戦後に制定された祝日で、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
この日は、明治天皇の誕生日でもあり、戦前は「明治節」と呼ばれていました。
また、1946年のこの日には日本国憲法が公布されており、平和や文化とのつながりが深い日でもあります。
よって、文化の日には、芸術や学問への功績をたたえる「文化勲章」や「文化功労者」の顕彰が行われます。
さらに、多くの美術館や博物館が入館無料となり、普段より気軽に文化に触れられる日としても親しまれています。
歴史的背景と現代的意義の両方を兼ね備えた文化の日は、日本人の文化意識を改めて考えるきっかけを与えてくれる記念日ですね。
私たちの体には約37兆個の細胞が存在するといわれており、それらの細胞は常に新陳代謝して、皮膚、内臓、脳など、それぞれの器官を維持しています。古くなったり、遺伝子に傷がついたりした細胞は分裂を停止し、自然消滅「アポトーシス」、免疫による掃除、オートファジー(前号参照)などの働きで作りかえられたりして、元気で正常な体を維持します。
老化や病気の
原因となるゾンビ細胞?
いわゆるゾンビ細胞は、それ以上は細胞分裂もせず自然消滅もしないため、どんどんと古くなったまま生き続けます。科学雑誌ネイチャーにて、この奇妙な老化細胞をホラー映画に出てくるゾンビのようなゾンビ細胞と表現したことで世界中でそう呼ばれるようになりました。
ゾンビ細胞は、周りに老化促進物質や活性酸素などの炎症物質をまき散らし、周りの細胞にも老化や炎症を起こし広がっていくため、周りの細胞もまるでゾンビ化しているように影響を受けるのです。そして、このゾンビ細胞の蓄積の影響が、臓器の機能を低下させてしまうのです。
体をむしばむ
ゾンビ細胞の蓄積の影響
ゾンビ細胞が蓄積することで身体の老化が加速されるとともに、がん、心血管疾患、糖尿病、白内障、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症、変形性膝関節症など、加齢により増える様々な病気につながっているようです。
ゾンビ細胞は、若い世代の人にも発生しますが、若い人の体は免疫も活発であり細胞修復も早いため、体を守る働きが強く、ゾンビ細胞の影響は受けにくいようです。
つまり、ゾンビ細胞は中年以降に体に影響を与えることが多いため、寿命が延びて長生きできるようになった現代、この影響が明らかになってきたのです。
ゾンビ細胞の影響をいかに減らすかが、若々しく健康に長生きするための秘訣にもなるのです。
ゾンビ細胞除去薬の開発
近年では、このゾンビ細胞を特定して排除する薬の研究開発も進められています。海外でのマウスの研究では、この薬を投与することで脂肪、腎臓、心臓などの組織から老化細胞がなくなり、毛並みもフサフサで見るからに若返って元気になり、健康寿命も延びたことが報告されています。
日本で行われた研究では、肥満が原因で肝臓がんになりやすいマウスに、老化細胞除去薬を注射すると、オートファジー機能が活性化され、肝臓にたまった老化細胞が除去され、その結果として肝臓がんの発症が抑制されました。
オートファジーとは、細胞内にたまった老廃物や古くなった器官を自らが分解してリサイクルすることで細胞を若返らせる機能であり、ゾンビ細胞の増殖を予防するためにも重要な役目をしています。
また、ゾンビ細胞は、老化(サビ)による活性酸素の発生や糖化(コゲ)によるAGEs(終末糖化産物)によっても増え、それが慢性炎症を起こすことにもつながりますので、老化予防、糖化予防、慢性炎症の予防、さらにオートファジーの活性化をいかに行うかが老化や病気の予防に重要となります。
また、ゾンビ細胞は免疫のNK細胞やマクロファージによって攻撃、除去されるため、身体の老化やストレスなどで免疫機能が衰えると除去できにくくなってしまいます。
免疫を維持するためには、日ごろからきのこや海藻などの多糖体を多く含むといわれるネバネバ食材などを摂取することや、オートファジーを活性化することで、ゾンビ細胞を減らすことが期待できるため、健康長寿のために是非取り入れてみましょう。
クリーム煮やグラタンなど乳製品と組み合わせたメニューが人気の食材「鮭」。この鮭と乳製品の食べ合わせは、実は栄養面での相性も抜群で、健康づくりに理想的な組み合わせです。
鮭と乳製品の組み合わせは、栄養学的に見ても相乗効果が期待できる食べ合わせの一つです。
まず鮭には、体に良い脂質として知られるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が豊富に含まれています。これらは血流を良くし、脳や心臓の健康を守る働きがあります。さらに鮭は良質なたんぱく質、ビタミンD、アスタキサンチンといった抗酸化成分も含み、免疫力や美肌づくりにも役立つ食材です。
一方で乳製品には、カルシウムやビタミンB2、乳たんぱく質などが多く、骨の強化やエネルギー代謝の促進に欠かせません。
両者を一緒に取ることで、特にカルシウムとビタミンDの相性が際立ちます。鮭に含まれるビタミンDは、乳製品のカルシウム吸収を助け、骨や歯の形成をより効果的にサポートします。これは成長期の子どもから骨粗鬆症予防を意識する大人まで、幅広い世代に有益な組み合わせといえるでしょう。さらに乳製品の乳たんぱく質は鮭のアミノ酸と組み合わさることで、筋肉や体組織の修復・生成を効率的に行える点も魅力です。
料理面でもこの2つの食材の相性は良く、鮭のクリーム煮やグラタン、鮭とチーズのホイル焼きなどは食べやすく年代を問わず人気です。
何といっても乳製品のまろやかさが鮭の風味を引き立てるため、味覚的にも満足感を得やすいという利点があります。
また、サーモンの皮にはオメガ3脂肪酸をはじめ、ミネラル、ビタミンB、ビタミンDも豊富なので、皮も残さず食べてください。
ちなみに、天然ものを鮭、養殖ものをサーモンと分類されており、鮭は天然魚であるため脂質が少なく、高たんぱくでヘルシーですが寄生虫がいる可能性があるため生食は不可、サーモンは、管理された環境下で育てられているため生食が可能で、EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸もより多く含まれているという違いがあります。
鶏のモモ肉が入って食べ応えのある炊き込みご飯。そこにカルシウム・マグネシウム・鉄分などミネラルが豊富なひじきをプラスした栄養的にも嬉しい一品です。
干し椎茸に含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるので育ち盛りのお子さんをはじめ、骨粗鬆症が気になる中年女性にもおすすめです。
いつもの炊飯器で炊いても良いですが、土鍋で炊くとお米や鶏肉がふっくら炊き上がり、意外と簡単で時間もかかりません。
何といっても炊き立てが一番ですが、余った分はおにぎりにしておくと冷めても美味しくいただけます。
- ・鶏モモ肉 ……………………200g
- ・人参 …………………………1/3本
- ・干し椎茸 ……………………2枚
- ・米 ……………………………2合
- ・ひじきドライパック ………40g
- ・生姜のみじん切り …………1片分
- ・青ねぎの小口切り …………適量
- 【A】
- ・しょうゆ ……………………大さじ2
- ・酒 ……………………………大さじ1
- ・みりん ………………………大さじ1
- ・ごま油 ………………………小さじ2
- ・だし汁 ………………………360cc
- @ 鶏肉は角切り、人参は細切り、干し椎茸は水で戻して薄切りにする。米は洗って30分〜1時間浸水させ、ザルに上げて土鍋に入れる。
- A 土鍋に【A】と米を入れてひと混ぜし、残りの@、ひじき、生姜を入れる。
- B 蓋をして火にかけ、沸騰したら弱火で15分、火を止めて約10分蒸らす。ざっくりと混ぜ、青ねぎを散らす。
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イスラエルの風土・文化 (28)
イスラエルは健康食材として脚光を浴びるオリーブ・オリーブオイルの産地としても有名です。日本国内でも国産オリーブ発祥の地とされ、国内オリーブの収穫量の9割以上を誇る香川県小豆島産のオリーブがこれまでは国産オリーブを牽引してきましたが、近年はオリーブ栽培に取り組む地域が、九州や瀬戸内海沿岸だけでなく関東地方にも広がっています。
世界的にオリーブオイルの産地としては世界最大の生産国であるスペインをはじめ、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、チュニジア、トルコ、シリア、そして紀元前からの産地であるイスラエルなど、地中海沿岸の国が主にあげられます。国によって気候や土壌、栽培されているオリーブの品種の違いなどによりオリーブオイルの風味や特長が変わってきます。
オリーブの起源は今から約6000年前に遡ります。長い年月をかけて産地は拡大し、各地で多くのオリーブの品種が誕生しました。オリーブオイルの最高グレードであるエキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実をそのまま絞ったもので、オリーブの実の個性がオイルにあらわれるので、前述のように産地や品種、ブレンドによって、いろいろな香りと味が楽しめます。
地中海沿岸地方では統計的に住民の心臓病発生率が極めて低いことから、この地方で長きにわたり受け継がれてきたオリーブオイルを中心とした伝統的な食生活のスタイルに注目が集まっています。オリーブオイル中の脂肪酸の約70〜80%はオレイン酸です。オレイン酸は、血液を良好な状態に保つ、善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールのみを減らす働きがあり、心疾患や糖尿病予防に役立ちます。また、ポリフェノールといえば赤ワインが有名ですが、オリーブオイルもポリフェノール類やビタミンEなど抗酸化物質を豊富に含んでいます。その他、各種ミネラルや食物繊維も豊富で、健康志向の現代人に受け入れられています。
日本の伝統的な食生活も、穀類・豆類を多く摂取する、魚介類を食べるなど、地中海沿岸の食生活と共通する部分があり、どんな料理も合わせやすいオリーブオイルを普段の食生活に上手に取り入れて、健康的な食生活を目指しましょう。
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ムチンという呼称は粘液や粘性を意味することから、日本では山芋やオクラ、納豆などの植物のネバネバ成分を「ムチン」と呼んでいたことがありました。しかし、構造上の違いから、植物由来の粘性物質は糖鎖(多糖)が主成分の「ムチレージ」と呼ばれる糖タンパク質として区別されています。
ムチンはタンパク質のコア(芯)にたくさんの糖(糖鎖)が枝状に結合した高分子糖タンパク質で、これがムチンの粘性の強さや高い保水性の要因となっています。この違いが、それぞれの生体内での特殊な機能や役割に繋がっています。
ムチンには、粘膜表面に分泌される「分泌型ムチン」と細胞膜に結合している「膜結合型ムチン」の2つのタイプがあり、どちらも物理的なバリアとして粘膜を保護すると共に、潤滑作用を持ちます。
分泌型ムチンは、粘膜表面に分泌されて粘液層を形成し、物理的、免疫的、化学的なバリアとして働きます。この分泌型ムチンは、細胞外で水を含んで大きく膨らみ、できた粘液層が、消化酵素や胆汁酸、細菌などから腸の上皮を保護します。
膜結合型ムチンは、細胞の膜に結合した状態で存在し、細胞質への情報伝達にも関与しています。消化管上皮や眼の角膜では、細胞表面の保護や潤滑、摩擦軽減に寄与しています。ところが、がん細胞では、膜結合型ムチンが、がんの進行や免疫細胞の抑制に関わることが指摘されています。
基本的には、消化管、気道、鼻腔、腟、目の表面など、体の粘膜を物理的に覆い、異物の侵入や外部の刺激から細胞を保護します。とりわけ、胃においては強い酸性の胃液から胃壁を守る重要な役割を担っています。風邪やインフルエンザなどのウイルス、細菌が細胞に直接付着するのを防ぎ、感染を抑制する働きもあります。ムチンは、複雑な糖鎖構造による多様な機能を持ち、動物の生命活動にとって欠かせない重要な生体分子です。消化管のムチンは、腸内細菌に棲息環境を提供するだけでなく、ビフィズス菌など善玉菌のエサとなり増殖を促します。食材としては、ツバメの巣、エチゼンクラゲ、ウナギ、コイ、ドジョウ、ハタハタとその卵巣(ブリコ)からも摂取できます。