動物たちが冬眠から目を覚ます季節。私たちの体も活動期に向けて、血液や内臓が活発に動き出す。生体リズムバランスが崩れやすいこの季節に気をつけたい病気を取り上げてみた。
春になると、今まで縮んでいた体が緩んで開放的になることからも分かるように、血管や筋肉が緩んでくる。そのため心臓へ血液を送り戻す力が弱まり、低血圧になりやすい。気温が高くなり、汗をかきやすくなることからも、血液の量が減り、低血圧を招きやすい。
低血圧は高血圧のように命の心配はいらないものの、心臓へ血液が戻りにくくなるため、頭痛や胃もたれ、便秘など、日常生活に支障をきたす症状が出やすくなる。
低血圧を改善するためには、筋力トレーニングやエアロビクスで血管周囲の筋肉を鍛えると良い。また、水分を多めに、十分な量と質の高い食事を摂ることも改善につながる。
特に、春先の低血圧は、急に立つなど、体を動かした時に立ちくらみになる「起立性低血圧」の悪化がみられる。筋肉を鍛えて、しっかりと食事を摂ること以外にも、動作をゆっくり行うことも加え、低血圧の症状を予防したい。
気候的な変化だけでなく、生活環境もがらりと変わる春。気づかないうちにストレスがたまりこんで、5月、6月頃にいわゆる「5月病」と呼ばれる症状が出ることがある。イライラ、不安、やる気が出ない、気持ちが沈みがちなどの精神面から、不眠、頭痛、食欲不振、疲れが取れないなどの身体面までの症状が、仕事や生活に影響を与えてしまう。
5月病を放っておくと、うつ病に移行することもあるので、普段からストレスをためない工夫をしておくことが大切だ。
その日のストレスを解消するためには、気分転換をすることや、リラックスすることも大切だが、しっかりと食事を摂り、15分だけでも運動をするなど、日常生活を整えることでも改善できる。十分な睡眠、休養をとり、翌日までに脳と心をリセットさせておくと良い。
2月頃からはスギ花粉に悩まされる人も多いのでは。4月、5月辺りはヒノキの花粉も飛び始め、引き続き、カモガヤ、ブタクサなどの草花からの花粉にも悩まされる人もいる。
くしゃみ、鼻水が出るので風邪の症状とは区別し、それぞれの適切な治療を行うことが大切。花粉症はアレルギーの一つの症状であるように、その他のアレルギー性疾患、例えば、アトピー性皮膚炎や喘息などの悪化にも注意を払いたい季節になる。
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気候の変化、生活の変化など、様々な環境の変化が起こる春。忙しい時期だからこそ、規則正しい生活を送り、生体リズムをこわさないよう、毎日を過ごしたい。
「馬の脳」と呼ばれる大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)には、「海馬」という部分があります。日常的な出来事や勉強して覚えた事は、まず海馬で一時ファイルされ整理し、その後、大脳皮質に溜められます。つまり「新しい記憶」は海馬、「古い記憶」は大脳皮質でファイルされています。
老化と共に記憶は衰える…と思われていましたが、この定説は間違っていた事が、最近の研究によって明らかになりました。
昨今、脳科学の研究では、記憶を司る海馬に脳神経基幹細胞と呼ばれる脳神経細胞のもととなる細胞が存在し、海馬の一部の細胞は、鍛えれば鍛えるほど増え続ける事が発見されたのです。
1997年に行われたアメリカの研究では、脳神経細胞、特に海馬の細胞は、70歳を過ぎても増えている事が分かったのです。
海馬の神経細胞は、死ぬまで増やし続ける事が出来ます。人間の脳細胞は、生まれた時が最も多く、20歳を過ぎると1秒に1個ぐらいのスピードで減っていくと言われています。そのため、年齢と共に脳は衰える一方だと言われていました。
しかし海馬の細胞は、どんどん生まれているのですから、神経細胞が死ぬスピードよりも、生まれるスピードの方を速めれば、海馬は大きくなります。海馬が大きいと、たくさんの情報処理が出来るので、記憶力が高まり、物忘れも減るのです。
逆に神経細胞の生まれるスピードが遅くなれば、海馬は小さくなります。この状態を「脳が衰えた」と言います。海馬の神経細胞が増えるスピードは、様々な刺激を脳に与える事によって、意識的に早める事が出来るようです。
歳をとっても脳に刺激を与え続ける事で、いつまでも若々しく、元気な生活が送れます。「歳をとったから…」などと諦めている場合ではありません。今日からでも、どんどん脳に刺激を与えて、活性させていきましょう。
ここで、海馬を活性させる3つのポイントをお話ししましょう。それは、「軽い運動」「環境の刺激」「喜びの気持ち」にあります。脳の神経細胞を増やすには、心と体を動かし、海馬を活性させる事が必要です。
脳の活性化は、神経細胞を再生するように指令を出す「脳内物質」があるためと考えられています。これらの一つは、体のどこかを動かすような軽い運動を続ける事で分泌されるようです。例えば、指先をよく動かすピアニストや画家に、元気で長寿の人が多いのも、その一つであると言われています。
もう一つは、豊かな環境で人と繋がり、喜びの気持ちや楽しみを持って生活する事です。美しい花や気に入った絵や写真、好きな音楽など、刺激の多い環境の中で、たくさんの人達と交流を持って生活していると脳内物質や脳内ホルモン、神経伝達物質などの分泌を高め、海馬の細胞を増やす働きを助けます。
目で見た事を書き留めたり、声に出してみると、記憶されやすいと言われます。何度も書いて覚えたり、何度も声に出して読み上げ覚えたりする事は、テスト勉強などでも経験した事があるのではないでしょうか。
この事は、記憶を頭の中に置きっ放しにしておかないで、整理整頓し、いつでも思い出せるようにしているのです。気が付いた事をすぐにメモしたり、テレビを見ながらタレントの名前を声に出して言い合ったりするのも良いでしょう。そうする事で、脳に刺激を与える訓練になり、海馬が刺激されて、神経細胞が活性化されるのです。
「空間情報」が常に海馬を刺激し、最も脳神経細胞を増やす事を助けます。私達は、視覚や聴覚などの五感を使って、常に周囲の空間の変化をとらえ、それらを情報として脳に送り、海馬に記憶させています。
外の空気に触れ、移り変わる景色、そして軽い運動…。皆さんも毎日の散歩を習慣にしてみてはいかがですか。
参考資料/「物忘れ・ど忘れを防ぐ100のコツ」より
検診の結果は家族にも見せて、健康管理に役立てましょう。血液検査などの数値の見方、判断の仕方について知っておくと健康管理がしやすくなります。
多くの人は、腹痛や頭痛など体に何らかの症状が出ると病院で受診するでしょう。受診することで、風邪であったり、胃潰瘍であったり、原因が見つかります。
こうして、症状が表に出る病気は重大になる前に気づくことができます。しかし、生活習慣病のように、知らず知らずのうちに体へ忍び寄ってくる病気もあります。
毎日、ほんの少しの体への負担が、いつの間にか病状を進行させていることがあるのです。進行が遅いため、自分では気がつかないことも多く、そのためにも健康診断で客観的に自分の体を検査することが望ましいのです。
数値が正常値の範囲であるからといっても、油断せず、自分の数値を見極め、どのように体を気遣えば良いか考えてみましょう。適切な健康管理を行うために、健診を受けっぱなしにせず、数値などの結果をしっかりと受け止めることが大切です。
健診を受ける方法はいくつかあります。職場で受けることができる集団健診、市町村、自治体の保健センターなどで行っている集団健診、各医療機関でも健診や人間ドックを行っています。
受けるペースは年に一回ほどがお勧め。受けて結果を見てそれで終わらせるのではなく、数値などの結果は来年までの健康管理の参考にしましょう。数値が正常範囲内であっても安心せず、過去の検査結果と見比べて数値がどのように変化しているか確認しておくことも必要です。
健診は病気の発見だけでなく、病気の予防にも役立ちます。健康への軌道修正は早ければ早いほど、将来、元気でいられる時間を確保することができます。また、早期発見することで軌道修正しやすく、健康管理がしやすくなります。
平成20年からは、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目した特定健康診査が行われています。リスクがある場合は、生活習慣をより望ましいものに変えていくための保健指導が行われます。
若い時は少々無理をしても健康を維持することができました。しかし、年齢を重ねるごとに、日常生活の送り方が健康に反映されるようになってきます。中年以降には、いろいろな病気が発見されることも多くなるでしょう。
そこで、一般的な健診のほかに、乳がん検診、子宮がん検診、肺がん検診などのがん検診を受けておくこともお勧めします。骨密度測定、緑内障検査、歯科検診など、特定の部位の測定・検診の受診もお忘れなく。
最近、健康診断をしていないな、という方は、一度、自分の体をすみずみまで調べておくと良いでしょう。そして、結果をふまえて自分の体の状態を知り、日常生活の健康管理を行いましょう。
正常値 | 検査方法など | 検査結果から 分かること |
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身長 | BMIの 正常値 18.5〜24.9 |
身長と体重からBMI値を算定。 体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}=BMI BMI値が18.5未満はやせ、25以上は肥満。 |
肥満、やせ |
体重 | |||
腹囲 | 男性 〜85cm 女性 〜90cm |
服を選ぶ時のウエストサイズではなく、おへその上を通り、メジャーを水平に巻く。 | メタボリックシンドローム |
視力 | 目の病気や異常が分かる。 | 視力低下など | |
聴力 | 耳の聞こえ具合を調べる。 | 聴力低下など |
正常値 | 検査方法など | 検査結果から 分かること |
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血圧 | 拡張期(最小血圧) 80〜90mmHg 収縮期(最大血圧) 120〜139mmHg |
最小血圧と最大血圧のどちらかが 正常値以上であれば、高血圧。 |
高血圧症など |
安静時 心電図検査 |
異常なし | 心臓の動きをグラフに表したもの。 心臓に問題がないか調べる。 |
不整脈、心筋梗塞、 心肥大など |
正常値 | 検査方法など | 検査結果から 分かること |
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蛋白 | (−) | 通常、蛋白はごくわずかにしか排出されないが、 腎臓や尿路に異常があると、蛋白が漏れだす。 ただし、激しい運動やストレスによっても蛋白が 陽性(+)になることもある。 |
腎機能障害、 尿路感染症など |
糖 | (−) | 陽性は糖尿病などが疑われる。 | 糖尿病など |
正常値 | 検査方法など | 検査結果から分かること | |
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胸部X線検査 | 異常なし | いわゆるレントゲン検査。 肺や心臓に問題がないか調べる。 |
肺がん、肺炎、結核、心肥大、 心血管の異常など |
正常値 | 検査方法など | 検査結果から分かること | |
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白血球 | 4000〜 9000 |
細菌やウイルスと戦う働きをする白血球。感染症や炎症などで増える。 ただし、激しい運動、妊娠、喫煙等でも増える場合がある。 |
感染症、骨髄異常など |
赤血球 | 男性400〜579 女性360〜519 |
赤血球は肺から酸素を運び、不要になった二酸化炭素を回収しながら体内を巡る。 |
貧血、多血症など |
血色素 (ヘモグロビン) |
男性13.0〜17.5 女性11.4〜15.4 |
赤血球の中にある成分。貧血などで低くなる。 | |
ヘマトクリット | 男性 38.0〜51.9 女性 34.0〜45.9 |
血液中に占める赤血球の容積を表す。 | |
GOT | 〜40 | 肝臓の細胞に多く含まれる酵素。 肝細胞が傷つくと血液中に流れ出る。 |
心筋梗塞、急性肝炎 アルコール性肝障害など |
GPT | 〜45 | 肝臓、心臓、筋肉細胞に多く含まれる酵素。 長期飲酒でも高い値を示すことも。 |
急性肝炎、慢性肝炎 脂肪肝など |
γ-GTP | 〜55 | 腎臓、すい臓、肝臓などにある酵素。 薬物や飲酒の影響で高くなる。 |
肝炎、肝硬変、心筋梗塞 胆石症など |
総コレステロール | 140〜219 | 血液中に存在するコレステロールの総量を調べる。 脂肪分の多い食事を続けていると上昇する。 |
− |
中性脂肪 | 35〜149 | 中性脂肪が多いと動脈硬化が進行しやすくなる。 | 動脈硬化、心臓病 脳卒中など |
HDLコレステロール | 40〜99 | いわゆる善玉コレステロール。 低いと動脈硬化が進行しやすくなる。 |
− |
LDLコレステロール | 70〜139 | いわゆる悪玉コレステロール。 高いと動脈硬化が進行しやすくなる。 |
動脈硬化など |
空腹時血糖値 | 60〜100 | 高いと糖尿病が疑われる。 | 糖尿病など |
クレアチニン | 男性 〜1.19 女性 〜0.89 |
腎臓の機能が大きく下がると数値が高くなる。 | 腎機能障害 |
尿酸値 | 〜7.0 | 腎臓から排出される、プリン体の最終代謝産物のひとつ。 多くなると結晶になり、関節や内臓に沈着し、結石を作る。 関節にたまって炎症が起きると痛風特有の痛みの原因になる。 |
痛風、腎炎 動脈硬化、 尿毒症など |
ヨーグルト味 | リンゴ味 |
免疫力は、防衛力。病原微生物であるウイルスや細菌などと戦う免疫力が、正常に働く為に必要とされる栄養成分をご紹介しましょう。
人間の体には、外敵から身を守る為の色々な仕組みが備わっています。
私達は、インフルエンザなど様々なウイルスや細菌に囲まれて生活していますが、仮にそれらが、微量に体内に侵入しても発症しないのは、いわゆる「免疫」という防衛体制を中心として、幾重にもガードされているからです。
同じ場所や環境に身を置いても、ウイルスや細菌に感染する人もいれば、感染しない人もいます。一般的に高齢者や乳幼児が感染しやすいと言われるのは、健康な成人よりも免疫力が弱いことが要因です。また、逆に免疫力が過剰に反応するのが、花粉症などのアレルギー症状です。
免疫システムが正常に働き、免疫力を発揮する為には、食事面において、何に心掛ければ良いでしょうか。
先ずは当たり前のようですが、栄養バランスの取れた食事が大切です。5大栄養素である糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルは、私達の健康を維持する為には必要不可欠です。
糖質と脂質は、エネルギーの源として体組織をつくり、代謝を活性化する重要な役割を持っています。
タンパク質は、筋肉や臓器など人間の細胞の構成成分であり、また酵素やホルモン、免疫物質として様々な機能を担っています。
ビタミンは、代謝や免疫反応など、健康な生命活動を行う上で大切な役割を持っています。ビタミンAは、粘膜などの上皮細胞を健康な状態に保ち、欠乏すると感染症への抵抗力が低下します。ビタミンCは、免疫システム全般に関わる重要な栄養素であり、免疫機能を刺激し、未熟なリンパ球を成熟させる力を持っています。ビタミンEは、免疫細胞を直接活性化する働きがあると言われ、ビタミンDは、細胞の正常な成長、免疫機能の調整をします。パントテン酸は、葉酸やビタミンB6と共に、免疫の為のタンパク質を作る働きがあります。
またミネラルの一成分である亜鉛は、欠乏すると味覚や成長障害、神経系の異常などをきたしますが、免疫反応においても、免疫細胞の情報伝達物質と考えられ、亜鉛不足は免疫不全に関係します。
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クロスタニン健康飲料『風っ子くらぶ』。日健総本社が誇る3大成分であるクロレラエキス(クロレラ多糖体N・βー1・3グルカン)、ドナリエラベータカロチン(ドナリエラから抽出した天然マルチカロチノイド)、そしてカワラタケ・タナカヨシホ株抽出エキス。それらを主要成分とし、健康維持に欠かせない栄養素であるカルシウムや、その吸収を助けるCPP(カゼインホスホペプチド)、更には整腸作用で、これらの成分の吸収を、より効率よくするためのフラクトオリゴ糖、また、ビタミンB2、B6、Cなどもバランスよく配合されています。
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日々の生活に『風っ子くらぶ』を上手に取り入れ、ご家族の免疫向上の一助として、是非お役立てください。
参考資料/総合情報サイトAll About 健康・医療トピック
「ウイルスと戦う免疫力を発揮できる体に」
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