ストレスは怒りや悲しみなどからくる精神的な刺激や不規則な食事や寝不足などからくる身体的な刺激を受けるとたまってくる。
こうしたストレスは、血圧を高くさせたり、反対に下げたり、動悸など、身体機能にも影響を与える。さらにストレスが強くなると抵抗力が弱くなり、様々な病気が現れてくることもあるため、ストレスはためない方が良い。
例えば、胃腸はストレスを敏感に感じやすい部分。 十二指腸潰瘍や胃潰瘍、下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群の心配がある。
血管の病気では、狭心症や心筋梗塞なども。動悸やめまい、のぼせなどが特徴の自律神経失調症も起こる。
ストレスは悪者ではない。 しかし、コントロールができなくなると、体に悪さをするため、自分のストレスの度合いを把握しておき、早めに対処することが望ましい。自分の性格も理解し、どのような行動や環境によってストレスが起きやすいかも知っておき、ストレスのため過ぎを防ぐこともできる。
また、普段からストレス解消法(下表)を実践し、毎日を楽しく過ごして上手にストレスを発散させておきたい。
●気分転換
深呼吸、散歩、旅行、ショッピングなど。
●おしゃべり
友人と楽しい会話や本音を話すと、嫌なことも忘れる。
●早寝早起き
ストレスに耐える副腎皮質ホルモンは朝に多く分泌されるため、早寝がよい。早起きすれば、朝に時間の余裕が持てる。
●ぬるめの入浴
血行を良くし、疲れをとるために、ぬるめのお湯につかると良い。
●快適な生活環境
温度、湿度、音など自分に最適な環境を整えることもストレスを減少させる。
食事は体のリズムをコントロールするための重要な存在。朝食を抜くと仕事に集中できず、無意識のうちにストレスがたまってしまうので、必ず食べておきたい。
ストレスに打ち克つ栄養素もある。例えば、ストレスを緩和させてくれるのはたんぱく質。イライラしたときにはカルシウム、と言われるように、カルシウムは精神を安定させることができる。ビタミン類は自律神経を安定させる働きを持っている。ストレスを感じたときには、特にこれらの栄養素を積極的に摂っていくと良い。
ところで、ストレスは入学や転勤、引越などのライフサイクルの節目、暑さや寒さ、天候などの気候の変化によって起きやすくなると言われている。 このような時、生活環境や食事の摂り方に気をつかうことでストレス過剰を未然に防ぎたい。
家族や周囲にも気に掛けて、ストレスを解消できる生活を送ろう。
夏にお勧め食事法 |
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●良質のたんぱく質 食欲がないときのたんぱく質は、冷奴、納豆などの大豆製品、牛乳などから摂ってみては。 |
●ビタミン、ミネラル 夏バテ解消の基本は栄養バランスのとれた食事。夏に不足しがちな栄養素もきちんと摂ると良い。そのまま食べられる夏野菜などが便利。疲労回復に役立つビタミンB1は豚肉、うなぎ、枝豆などに多く含まれている。 |
●酸味を加える 梅干し、酢の物、マリネなど。だ液が出てきて、食欲も促進させてくれる。 |
●香辛料の工夫をする 青じそ、木の芽、ハーブなどの香辛料が食欲をそそる。エスニック料理などもお勧め。 |
●サプリメントも利用してみる 栄養不足は元気を失うもと。まずはサプリメントや胃腸薬などで調子を取り戻し、食欲をつけてみる。 |
ビタミンやミネラルなどの栄養素は、ただ体内に摂り入れるだけでは効果は発揮されません。体内に蓄積されている毒素が栄養素の吸収を阻害し、きちんと細胞まで届かないためです。
体内に効率よく栄養を吸収させるためには、まずはデトックスの実践です。体にやさしく良いものを食べるという食生活の改善により、デトックスの効率をあげることが、一番身近にできる健康法なのです。
カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、カリウムなど体に必要不可欠な微量成分は、必須ミネラルと呼ばれ、お互いに協力しながら代謝活動や酵素の働きを助けるなど、生命維持のためには、とても大切な役割を行っています。 体内には、わずか3%程しか存在しないのですが、これらをバランス良く摂取する事で、健康的な生活を送りましょう。
ミネラルの中には、有害ミネラルと呼ばれ、必須ミネラルの働きを阻害したり、病気や老化現象を引き起こしたりするものもあります。
現代は環境汚染が進み、水道水、排気ガス、タバコの煙、酸性雨、魚介類の水銀汚染など、いたる所から体内に有害ミネラルが入り込み、それらが蓄積されている事が健康問題ともなっているのです。
有害ミネラル | ||
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種類 | 人体への危険性 | 摂取源 |
Hg(水銀) | ・水俣病の原因 ・皮膚アレルギーの原因 ・脳、腎臓に有害 |
・汚染された魚介類 ・歯のつめもの ・防カビ剤 |
Pb(鉛) | ・脳神経に有害 | ・残留農薬 ・殺虫剤 ・タバコの煙 ・排気ガス |
As(ヒ素) | ・皮膚ガンの原因 ・肺ガンの原因 |
・残留農薬 ・汚染された魚介類 ・殺虫剤・防腐剤 |
Cd(カドミウム) | ・イタイイタイ病の原因 ・腎臓、骨へ悪影響 |
・残留農薬 ・汚染された魚介類 ・タバコの煙 ・排気ガス |
前回までに、食品、運動、ヨガ、リンパマッサージ、ハーブなど、日常生活の中で、デトックスをスムーズに行える体質を整える方法をご紹介してきました。
デトックスを最も効率よく行うためには、やはり腸内環境を整える事が第一です。腸からのデトックスは約75%と、ほとんどがここから排出されるのです。次いで、尿、汗、爪、髪から、有害ミネラルは体外に排出されるのです。
難消化性デキストリンやフラクトオリゴ糖などは、消化酵素などで消化されずに腸まで届き、ビフィズス菌の栄養分になってくれます。ビフィズス菌は腸内の善玉菌を増やして、悪玉菌から発生する有害物質を抑えてくれたり、腸内の環境を整えたりします。まずは腸内を整え、デトックスする環境をしっかり整えましょう。
●ビタミン類
ビタミンB1はご飯など、炭水化物の代謝を促進させ、便秘や消化不良を解消してくれる働きを持ちます。
ビタミンCは水溶性ビタミンで、美肌作用などの働きがあると共に、腸内に溜まった便の下剤としても働くのです。腸からのデトックスで、肌もきれいに美しくなるのです。
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、血行を良くする事で消化器の働きを助けると共に、細胞の再生を助け、老化を防ぐ事が知られています。
●アミノ酸
体内に有害物質、アルコール、薬などが入った時には、肝臓で解毒作用が行なわれます。
ここで解毒の働きをするのが、グルタチオンと呼ばれるたんぱく質(アミノ酸)です。グルタチオンは肝臓内で作り出されますが、老化や有害物の摂取で、十分に作り出せなくなる事があります。
また、グルタチオンだけでなく、システイン、グリミンなど、複数のアミノ酸が入る事で働きがスムーズになります。
●抗酸化食品
β‐カロチンなどのカロチノイドやフラボノイドなどは、老化(酸化)を防ぎ、血液をきれいにする事で、デトックスの働きを助けます。
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ここに紹介したのは、ほんの一部ですが、毎日の運動や食事では、なかなか思うように効果が・・・という方にもお試しいただけるのではないでしょうか。
特徴的な成分「カテキン」のコレステロール低下、抗酸化作用などの効用以外にもお茶には様々な効用が確認されています。
元気の源「お茶」を毎日飲んで、健康になりましょう!
万人に受け入れられ、飽きずに飲むことができるお茶のおいしさは、味覚を豊かにするだけでなく、体にも良い作用を与えてくれます。
お茶に含まれる渋みは「カフェイン」といい、脳の中枢神経を刺激する作用や利尿作用を持っています。そのため、眠気を覚ましたり、記憶力をアップさせたり、運動能力の向上に役立ちます。また、カフェインは体に溜まった疲労物質を排出する働きもあります。アルコールの代謝を高めるため、二日酔いの解消にもお勧めです。刺激があるので、もし、カフェインを避けたい場合はほうじ茶を。高温で焙煎するため含有量が少ないのです。
次に、渋みと共にお茶のおいしさを引き立てる旨味や甘味について。これは、テアニンというアミノ酸の一種が影響しています。テアニンはお茶に含まれる多量のカフェインの作用を抑えています。お茶にカフェインが含まれていても、強い覚醒作用が出ないのはこのためです。玉露のような日光を当てずに育てて作られたお茶は、テアニンが豊富に含まれています。
そして、女性に嬉しいのはビタミンが豊富に含まれていること。肌荒れや風邪を防止するビタミンCはもちろん、ビタミンB2、葉酸など様々な種類のビタミンが、さらには含有量も多いのが緑茶の特長。抗酸化作用を促すビタミンEも含まれています。ただし、紅茶やウーロン茶には含まれていない場合もあります。
他にも、ガンマ―アミノ酪酸(GABA・ギャバ)の血圧降下作用、フッ素の虫歯予防など、健康に役立つ作用がお茶には豊富に含まれています。
体に良いお茶。せっかく飲むならおいしくいただきたいもの。お茶のおいしい入れ方を知っていれば、お客様にも喜ばれるでしょう。
お茶は葉の保存方法によっておいしさが左右します。カテキンを酸化させないよう、空気に触れさせず、湿気にも気をつけましょう。他の食品などからの臭いが移らないよう、密閉容器に保存するようにします。酸化が進まないよう、冷蔵庫で保存するのもお勧め。昔から伝わる桐のお茶箱は最適な保存容器です。
いよいよお茶を飲むときは、湯温に気をつけます。茶葉から出る渋みと旨味を上手に引き出せるよう、お茶の種類によってお湯の温度を調整するとおいしいお茶が飲めます。
●玉露・上級煎茶
1煎目は低温で、2煎目は1煎目よりやや高温で。
●普通の煎茶
やや高温で適度な渋みと香りを出す。
●玄米茶・ほうじ茶
高温で芳ばしい香りを出す。
手軽においしく飲むために、パック入り、ペットボトル入りのお茶も利用してみては。冷やして飲む緑茶も定番になりました。楽しく飲みながら体にも良いお茶で、健康になりましょう。
茶の葉でなくとも、“茶”と名がつく飲み物は健康的! | |
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麦茶 | 芳ばしい香りで、緑茶と同じように良く飲まれるお茶。ハトムギを使ったお茶で、カフェインが含まれていないため、子どもや女性にも飲みやすい。便秘解消、肌荒れ防止などに。 |
昆布茶 | 昆布の旨味を抽出させて飲むお茶。もともと栄養豊富な昆布。お茶にしても、生活習慣病予防などいろいろな作用をもたらしてくれる。粉末をそのまま料理に使うこともある便利なお茶。 |
薬草茶 | 古くから伝わる、薬草を使ったお茶。薬草によって効用が異なり、季節によって楽しむこともできる。 |
ハーブティー | 薬草の一部で、ミント、カモミール、レモングラスなどが有名。リフレッシュ、安眠、記憶力向上など、それぞれのハーブによって効用が異なるので、自分の体調によって選ぶことができる。 |
豊富な成分は飲むだけでなく、いろいろな使い方でも健康になることができます。飲み終わった後の出がらしさえも、生活に活用できるのです。
●うがいをする
カテキンが持っている殺菌・解毒作用が風邪の細菌やインフルエンザウイルスに効果を発揮します。そのため、うがいをするだけでもインフルエンザ予防に。緑茶だけでなく、紅茶、ウーロン茶なども効果的です。
●消臭剤として利用する
消臭効果や微生物の繁殖を抑えるため、お茶の葉を冷蔵庫、下駄箱に入れてみましょう。魚を扱った後のまな板も、出がらしのお茶で出したお湯で洗うと、消臭できます。
●浴槽に入れる
殺菌効果により、水虫予防やぬめりも抑えられます。ビタミンCの作用で、手荒れや美肌にも良いと言われています。お風呂なら、使い終わった後のお茶の葉で十分。ただし、茶渋の色がつきやすいので、タオルなどの色移りに気をつけましょう。
●茶香炉
お茶を熱することでとても良い香りが発生します。リラックス効果や消臭効果があります。火を扱うので使用方法には十分、気をつけましょう。
古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。
三大陸の接点に位置し、また南北に長く広がるイスラエル。日本の四国より、やや広い国土にもかかわらず、地形や気候、そして自然の変化に富んでいます。
北のヘルモン山麓から、水量豊かなガリラヤ地方、中央に標高800mのユダヤの荒野、地球上で最も低い海抜マイナス400mの死海、そして国土の3分の2を占める南の荒野ネゲブ。
それぞれの土地に適応した高山植物や、砂漠植物をはじめとする植物が生え育ち、イスラエル国を健やかに、そして賑やかに彩っています。
アネモネ
地中海性気候のイスラエルは、半年の間、1滴の雨も降らない乾季があります。しかし、10月中旬頃から雨が降り始めると、木々の緑色が美しく輝きはじめ、色とりどりの花が華やかに大地を染めていきます。季節柄、冬に向かうに従って茶色だった山野に少しずつ緑の装いが始まることから、日本と逆の風景の変化に不思議な感じがします。
日本では、鉢植えとして馴染み深いシクラメン。11月〜4月頃にイスラエル各地に自生し、市場に出回る栽培種の多くは、イスラエルが原産です。
シュテルンベルギア
9月〜11月にかけてイスラエルのいたる所で見かけるヒガンバナ科のシュテルンベルギア。葉は花が咲いた後に出てくる為、花が直接地表に顔を出しているように見えます。
2月頃に咲くアーモンドは、『旧約聖書』の「創世記」にも登場します。ヤコブがエジプトへ土産物のひとつとして持参したという説があり、高さ4〜5mの木に白や淡紅色の花をつけます。
ガリラヤ湖南西に広がるイスラエル最大のエズレル平野内にあるギルボア山は、花の名所です。直径10pの花をつける野性のアヤメ、ギルボア・アイリスは、3月頃が見頃です。
チューリップ属のシャロン・チューリップは、3月頃に地中海寄りの平野でよく目にします。花びらの赤い部分と中央の黒い部分の境に黄色い帯があるのが特徴です。
ポピー
亜麻は、世界最古の繊維用植物ともいわれ、5000年以上前から栽培されていました。直径2pの花が3月〜4月に咲き、ピンク色はカルメル山やギルボア山に多く、他では黄色が一般的です。亜麻は『旧約聖書』にも登場し、古くは茎から採れる繊維が、亜麻布(リンネル)にされました。
ポピーは、3月〜5月にかけてイスラエルを彩ります。真紅のポピーが風に揺れる幻想的な風景は、イエス・キリストの生きた時代を彷彿とさせます。
日本の花屋で売っている花の原種を、野生の姿で見ることができる―。「聖書の国」の大地に揺れる原種の花々が、今日も訪れる人々の心を魅了します。