地球温暖化による気温上昇に伴い、夏に体調を崩す人が増えている。
快適に過ごす心がまえと、注意すべき症状を紹介していきたい。
夏の暑さは体に様々な影響を与える。汗をかくことで水分やミネラルが不足したり、胃腸の機能が低下したりすることで、食欲不振や全身の疲労感、だるさなどを感じる人が増えてくる季節だ。
元気に過ごすためには、毎日の生活習慣を正すことが大切。規則正しい時間に一日三回の食事をとること、十分な睡眠をとること、適度な運動を習慣づけることなど、夏に限らず、普段の健康維持に欠かせない生活が基本。
加えて、夏の体調不良の原因になる状況をなるべく避けるのが望ましい。
例えば、汗をかいたらこまめに水分を補給することや栄養バランスのとれた食事をすること。特に、食事に関しては、ビタミンとミネラルが含まれている野菜類、良質のたんぱく質がとれる豆腐や魚などがおすすめ。
汗をかいた分の水分補給は必要だが、暑いからといって、ビールや清涼飲料水の飲み過ぎに注意したい。食欲がないときは、サプリメントや健康ドリンクを利用するのもひとつの手段だ。
●食欲不振でも、食欲がわく食事の工夫● | |
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◆酸味を加える 酢の物や梅干し、ピクルスなどが食欲不振の改善になる。夏らしいさっぱりとした マリネもおすすめ。 |
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◆香辛料を加える 木の芽、青じそ、山椒などの香りのあるものが食欲をわかせてくれる。また、ハーブを使った料理やエスニック料理も良い。 |
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◆食前酒 少量のアルコールは胃の粘膜に刺激を与えてくれる。緊張をほぐすので、効果的だが、飲み過ぎには注意。 |
気温と湿度の高い日本の夏は、いくら室内と言っても、蒸し暑く、快適でないことが多い。
室内で起きる熱中症も増えているほどだ。
涼しく過ごすヒントはかつての日本の家にある。
風通しを良くし、風鈴やインテリアを涼しげな白や水色、緑の植物を置くなど、五感から涼しさを感じられる工夫をすると良い。
もちろん、夏の体調不良の一番の原因にもなっているクーラーの使い過ぎには注意。冷えすぎた室内と温度差の大きい室外を繰り返し行き来することで、自律神経が乱れ、食欲不振やだるさにつながってしまうからだ。
クールビズを取り入れてクーラーの使い過ぎを軽減し、もし、涼しすぎると感じたら簡単に羽織れるカーディガンや膝掛けを用意して、温度を調整するのが望ましい。
寝苦しい夜も続くことが多いが、クーラーのかけっぱなしは禁物。寝冷えからアデノウイルスやエンテロウイルスなどが原因になる、いわゆる“夏かぜ”になることもある。夏かぜは発熱や下痢の症状を起こしやすいので気をつけたい。
吸湿性、放湿性の良い寝具を利用し、ぐっすりと眠れることができれば、次の日も元気に過ごすことができる。昼も夜もクーラーだけに頼らない暑さ対策で、今年の夏も元気に乗り越えよう。
心身症とは、ある身体疾患の治療に関して、心理社会的要因を考慮する必要がある場合に使われる言葉です。
ここでは 実際の具体的な症例を挙げて、詳しくみていきましょう。
「はらわたが煮えくりかえる」「腹がおさまらない」
「腹がふくれる」。これらの言葉は、ストレスや感情とお腹が、いかに密接につながっているかを物語っています。
過敏性腸症候群は、ストレスによって小腸、大腸などの消化管が異常運動を起こすために生じる心身症です。「疲れているんだ」という心からのメッセージでもあるのです。
過敏性腸症候群は、下痢、便秘、下痢を繰り返す3つのタイプがあり、腹痛を伴うが排便するとおさまる、便に粘液がついても血便ではない、下痢により体重の減少がみられないのも特徴である 。
また、お腹が張ってゴロゴロする、ガスの多発、
吐き気、嘔吐の他、疲労感、頭痛、発汗、動悸などの自律神経失調の症状、不安感や抑うつ感などの精神症状が出ることもあります。就寝中に腹痛や下痢はなく、休みを控えた週末には、症状が和らぐ傾向が強いのです。
ところで、下痢と便秘、正反対の症状が起こるのはなぜでしょうか。
M専門医は、下痢型では腸のぜん動運動が活発で、内容物は急速に腸内を移動する。
一方の便秘型は、ぜん動運動がほとんどなく、S状結腸を中心に収縮運動が見られる。運搬せずにせき止めるため、便秘型ではウサギのふんのようなコロコロした便が出ると説明されています。
またある専門医は、受け身の無力感、あきらめ感が強い時には下痢が。
緊張し攻撃的な場合には便秘が起こりやすいと報告しています。
状況に流されやすく人がいいタイプは下痢型、くってかかるタイプは便秘型と解釈できます。
例えば大災害の直後には、茫然自失で下痢を起こした被災者が多かったのが、落ち着きを取り戻すにつれ、救援態勢などへの不満から便秘の人が増えたという話もあります。
ストレスがかかった時に腹痛を起こして下痢をした。
こんな体験があると、お腹に注意が集中して、何かあるとまた同じ症状が出るのではと気になり、悪循環に陥るのです。
大脳と腸管は自律神経で密接につながっています。
ストレスが腸管に運動異常を起こさせるのですが、腹部の症状は不快感・不安感として逆に脳に送られ、ストレスを増幅させるのです。
この悪循環を断ち切ることが回復へのポイントで、機能的な病気であるため、検査をしても体の異常が見つかりません。したがって、基本的には薬剤で治す病気ではないのですが、症状緩和のために薬剤が必要な場合もあります。
むしろ、リラックスしたプラス思考の生活を目指したいものです。
肥満で問題になっているのは、中性脂肪。中性脂肪は肝臓、血管など、どんな器官にも付着します。 脂肪が内臓に付きすぎてしまった状態を 「内臓脂肪型肥満」、別名 「メタボリックシンドローム」と言い、肥満の中でも、様々な症状を引き起こすことで問題になっているタイプです。
最近、中性脂肪の蓄積は単なる脂肪のかたまりではなく、次のような症状を引き起こすことが分かってきました。
○コレステロールを高める
○血圧を上昇させる
○血栓を作りやすくさせる
○インスリンを出させる物質を分泌させる
これらは生活習慣病を引き起こす危険因子そのもの。
死の四重奏と呼ばれる糖尿病、高血圧、
高脂血症、肥満が同時に進行する可能性もあるのです。
さらに、病気が進行し、重症化すると、日本人の三大死因にも含まれる「心臓病」と「脳卒中」を引き起こすことが考えられます。 心臓病や脳卒中により、介護が必要になってくる場合もあります。
いけないと分かっていてもつい高脂肪の食事をとってしまったり、つい食べ過ぎてしまったりしていると、中性脂肪が体につき、生活習慣病への危険を高めてしまうのです。
今は体に不調がなくても、規則正しい生活や食事に気をつけていないと、肥満や糖尿病になり、年をとってから突然、病気に襲われる可能性もあります。 いつまでも元気で楽しい生活を送るために、生活習慣の見直しをしなければなりません。
長さは4ミクロン(4/1000o)で、ゆるやかに右巻きにねじれています。
片側(両側の場合もあります)に4〜8本のべん毛が生えています。
中性脂肪は知らず知らずにたまっていきます。
「気づいた時には遅かった」ということがないよう、今から生活習慣を改善していきましょう。
かつての日本人の食事を想像すると、今の食事に比べて低カロリーで野菜が豊富な食事が思い浮かぶことでしょう。 昔の食事は、たんぱく質不足の問題はあったものの、日本人の体質の理にかなった内容だったのです。
それは、狩猟民俗だった欧米人とは異なり、日本人は農耕民族だったため。
欧米人は、狩りで得た動物等を食べ、エネルギーをためてから再び狩りに出かけるという生活から、一時的に太ることができる体質を持っています。
しかし、日本人は常に動き、常に食べる食生活をしていたため、高カロリーの食事をとる必要がなく、肥満には向かない体質を持っています。
そのため、必要以上に食べ過ぎると、すぐに脂肪がたまってしまうのです。また、脂肪やコレステロールを分解する力も欧米人に比べて弱くなっています。
このことから、日本人は肥満になりやすい傾向があると言われています。
もし、昔の日本の食卓風景を思い浮かべて物足りないと感じたら、それは高脂肪の食事に慣らされてしまっている証拠。味の濃い食事を続けていると、薄味の食事が物足りなく感じてしまうことと同じように、高脂肪・高カロリーの食事を続けていると、低脂肪の食事がおいしく感じられなくなってしまうのです。
また、食欲とは関係なく、目の前におやつや残り物の食事があると、思わず食べてしまうことはありませんか。 ストレスや気分で食べ物を口にしてしまうことも肥満の原因になっています。
ついつい、こんな食べ方をしていませんか? |
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◆早食い ◆よく噛まない ◆間食が多い ◆目の前に食べ物があると食べてしまう ◆不規則な食事時間やまとめ食い ◆ストレスで食べてしまう ◆満腹にならないと落ち着かない |
胃・十二指腸潰瘍を合わせて「消化性潰瘍」といいます。病変が形として把握できる器質的な病気であり、消化管の機能の異常を生じる過敏性腸症候群とは異なります。
原因は、ストレス、喫煙、非ステロイド系消炎鎮痛剤、ヘリコバクター・ピロリという細菌(ピロリ菌)など多様で、一つの因子では説明できません。
胃は、塩酸やタンパク質分解酵素(ペプシン)など、強い酸性の胃液を分泌し、食べ物を溶かし、消化体は胃を守る仕組みを備えていますが、保護機能が阻害され、粘膜や筋層が自己消化されたものが胃潰瘍です。 そして十二指腸の壁が溶けたものが、十二指腸潰瘍です。
攻撃因子と防御因子のバランスが崩れた時に、潰瘍が生じると考えれば分かりやすいですが、胃液のように、胃に打撃を与えるものが攻撃因子で、胃壁を保護する胃粘膜から出る粘液が防御因子です。 十二指腸では流入する胃液が強すぎると潰瘍が生じるため、その分泌を抑えるセクレチンというホルモンが防御因子として働いています。
ラットを身動きできないようにして水に入れ、肉体的、精神的ストレスをかけると、胃に出血が見られ、その後胃の中は血で真っ赤になります。 しかし、交感神経、副交感神経を切断したり、副腎を摘出すると、胃の病変が抑制されます。
副交感神経は、本来なら血管を拡張させ、血流量を増やす働きがありますが、ストレス初期の交感神経興奮では、血管内皮が脱落しているために、逆に血管の収縮を生じることも分かってきました。
また、ストレスは副腎皮質ホルモンの分泌を高めますが、このホルモンは、粘膜の抵抗力を抵下させてしまうのです。
胃潰瘍には、浅く広い病巣が多発する急性と、丸く深い単発の病巣が再発を繰り返す慢性のタイプがあります。急性潰瘍は急激なストレスや薬剤などで発症するので、原因を除くと再発は少ないのです。
一方、再発を繰り返す潰瘍は、ピロリ菌が大きく関わっていることが分かってきています。ピロリ菌は胃の中の尿素を分解して、アルカリ性のアンモニアをつくり、自らの周囲の強い胃酸を中和します。べん毛を使って活発に動き、粘液層や粘膜の表面に入り込みます。ピロリ菌の毒素が粘膜細胞を破壊するうえ、化学物質を出して白血球を呼び寄せ、粘膜の炎症(胃炎)を起こします。ピロリ菌はこのように防御因子を弱めるのです。ピロリ菌を除くと、少々のストレスがかかっても再発はありません。
中性脂肪が蓄積し、生活習慣病を複数合わせ持った状態をメタボリックシンドローム「内臓脂肪蓄積症候群」と言います。 |
ウエストを測ってチェック!メタボリックシンドローム |
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◆ウエストの測り方 一番細いところではなく、おへその高さで測ります。 男性の場合 85cm以上 / 女性の場合 90cm以上 なら、メタボリックシンドロームの危険あり。 さらに、以下の3項目のうち、2項目以上が当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。 |
脂質 脂質中性脂肪150mg/dl以上 かつ/または HDLコレステロール40mg/dl未満 血圧 血圧収縮期血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧85mmHg以上 血糖値 血糖値空腹時血糖値110mg/dl以上 |
あらゆるリスクを負う中性脂肪。では、反対に中性脂肪を減らせば、生活習慣病の危険因子も減らすことができるとも言えます。
中性脂肪がたまる原因を取り除けば、自然に生活習慣病への道を遠ざけることができるのです。
もし、食べ過ぎてしまった時は、その分、運動でカロリーを消費すれば良いのです。つまり、食事の量と運動の量のバランスを保つことで、肥満を予防することができるのです。
中性脂肪を減らせば、きっと快適な生活を迎えることができるでしょう。 次号「Part2.健康的に美しく、肥満予防」で、具体的な肥満予防をお伝えしていきます。
BMI値から肥満かどうか知ることができます。
BMI=体重(s)÷( 身長(m)×身長(m ))
BMI | 18.5 未満 | やせ |
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18.5 以上 25 未満 | 標準 | |
25 以上 30 未満 | 肥満 | |
30 以上 | 高度肥満 |
古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。
イスラエル東部を南北に走る、ヨルダン渓谷とアラバの谷。ここは何百万年も前、地球の表面を裂断したシリア・アフリカ地溝の一部と言われ、北部の地域は非常に肥沃ですが、南部は準乾燥地帯です。
ヨルダン川は、ヨルダン地溝を北から南に流れ、死海まで700mの落差を、300qに渡り流れ下っています。イスラエル北部にある主峰ヘルモン山の雪解け水などに端を発し、肥沃なフーラ盆地を通り ガリラヤ湖へ、そして川に沿った緑の帯をまとい、白い泥灰土の丘が連なる中をぬって蛇行し、地球上で最も低い湖・死海に注ぎ込みます。 雨季には増水するものの、普段は浅く狭い川です。
ヨルダン川
ガリラヤ湖は、ガリラヤ丘陵とゴラン高原の間、海抜マイナス210mに位置し、大きさは南北に20q、東西に12qです。 この湖は、淡水湖としては最大で、イスラエルの主要な給水源とされ、湖畔には重要な歴史・宗教的名所がいくつかあり、またキブツ、モシャブや観光施設なども多くみられます。
旧約聖書「創世記」にしばしば登場し、ヘブライ語で「乾燥」という意味の「ネゲブ」。 ネゲブ砂漠は、日本の四国とほぼ同じ面積を持つイスラエルの約6割を占めていますが、人口は国全体のわずか1割弱です。 イスラエルは1948年の建国以来、不毛な紛争の硝煙が絶えない北部、いわゆる都市部ばかりが国際的に注視され、またネゲブ地方の人口はこの北部に集中しています。
ネゲブ南部のワジ
南部は、砂岩の低い丘と平地が特徴的な乾燥地帯です。 ネゲブ地方の年間降水量はわずか200oですが、砂漠と荒野が連綿と続き、粘土質の土壌であることから、雨季になると洪水を時々引き起こすワジ(乾季に水が枯れる川)が多くあります。
さらに南に行くと、裸の岩山と岩の台地、 クレーター地帯が出現します。 ネゲブ砂漠を横切るラモン・クレーターをはじめとする浸触性のクレーターが3つ(最大のものは幅8q、長さ35q)あり、地表深く切り込んでいます。 月のクレーターともよく比較され、世界のアウトドアファン憧れの地、そして岩の層と色の変化に富み、雄大な景観を目の当たりにすることが出来ます。
ラモン・クレーター
死海の南部は、白い岩が重なりあったサバンナ地帯・アラバ(荒野)で、エイラット湾までの約180q続いています。 この地の年間降水量は25o以下であり、気温は夏場に40度まで達します。 また、エイラットに近いネゲブの先端では、灰色と赤の花崗岩で出来たギザギザの峰々がそびえ、断崖と乾いた峡谷、灼熱の太陽の下でカラフルな砂岩層が輝いています。
そしてリゾート地としても有名な亜熱帯性のエイラット湾。 深く青い海でアラバの南端に広がり、美しい珊瑚礁とエキゾチックな海洋生物の魅力は、世界各国の観光客を惹き付けて止みません。
イスラエル最南端のリゾート地 エイラット