ずさんな食品管理、食品添加物、残留農薬問題など、食にまつわる不安材料が増えている。
私達が安心しながら食事をするためには、何が正しいか判断し、食に関して正しく理解することが大切だ。
最近、耳を疑いたくなるような食に関するニュースが流れている。 アメリカでのBSE(牛海綿状脳症)事件、O―157事件から始まって、最近の鳥インフルエンザ、食品メーカーの食中毒、賞味期限切れ食材の利用など、目に余る事件が続いている。
さらに、もともと疑問視されている食品添加物、農薬・化学肥料使用、遺伝子組み換え食品への問題など数を挙げればきりがない。
今、私達は胸を張って誰もが安心しながら食事ができる時代と言えるだろうか。
ただ、共通して言えることは、消費者の目の行き届かない所で何が行われているか分からない、ということではないか。
安く、効率よく、売れればそれでよい、という考えが見え隠れしてならない。
食の最も重要な部分、健康への配慮が考えられていないのではないか。
ただし、きちんと食の安全を考えて消費者へ食品・食材を届けてくれる企業や人もいることを忘れてはならない。 そこで、消費者が安全に食べられる食品・食材を見極めていく力が必要になってくるのだ。
減農薬・減化学肥料で栽培している野菜を選んだり、消費者側に立った情報公開をしているメーカーの食品を選んだり。
食品添加物も全てが悪いわけではなく、規定量を超えなければ体に影響がないものもあること、日本以外では問題になっている添加物もあることなど、良いことも悪いことも知ることが大切だ。
また、情報が氾濫している中で、メディアにおどらされることなく、正しい知識だと判断することも必要になっている。
“食”は生きるために口にして直接、身になるもの。正しい情報と正しい知識で、納得のいく食生活を選んでいきたい。
食品表示の見方のポイント | |
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消 費 期 限 お弁当や調理パンなど、保存がきかない食品に表示される。 表示日時は食べても安全な期限。 |
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賞 味 期 限 スナックや缶詰など、傷みにくい食品に表示される。 開封していない状態で表示されている保存方法に従って保存した場合に食べられる期限。 賞味期限を過ぎた場合、食べられないわけではないが、早めに食べた方が良い。 |
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原材料表示 アレルギーの原因となる可能性がある原材料5品目は必ず表示される。 卵、乳、小麦、そば、落花生、その他、いか、えびなど、表示されることもある原材料もある。 |
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食品添加物表示 食品添加物は目的によって使用されている。 それぞれ、具体的に食品添加物名が表示されることもある。 (ビタミンC、キシリトールなど) |
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保存料 | カビや細菌の増殖を抑える。 |
防かび剤 | カビの発生を防ぐ。 |
酸化防止剤 | 酸化を防ぎ、長期保存を可能にする。 |
pH調整剤 | 食品のpHを調節して品質を良くする。 |
甘味料 | 食品を甘くする。 |
着色料 | 食品に色をつける。 |
乳化剤 | 水と油を均一に混ぜる。 |
最近よく耳にする「メタボリック・シンドローム」という言葉。
代謝症候群の意味で、お腹のまわりの内臓脂肪が原因となり、代謝障害が複合的に起き、動脈硬化の進展、さらには心筋梗塞、脳卒中などの命にかかわる病気の危険性を高めます。
「メタボリック・シンドローム」の予防は、さまざまな生活習慣病を一度に防ぐことにつながります。
食べ過ぎ(過剰なエネルギー摂取)により増えた脂肪は内臓脂肪に変わる。内臓脂肪は万病のもとである。内臓脂肪の蓄積により、体内で悪い働きをする悪玉物質が増えてしまうからだ。
また、体内で余ったエネルギーは中性脂肪となって脂肪細胞に蓄積される。脂肪細胞は、エネルギーをため込むことでどんどん肥大するが、無限に大きくなるわけではなく、成人の普通体重者を基準にすると、直径で1.3倍、体積で2.2倍まで大きくなる。
そしてため込んだエネルギーで満杯になった脂肪組織は、次に分裂して増殖し始め、その重さはさらに増える。肥満はこのようにして進んでいくのである。
体脂肪とは、体内に存在する全ての脂質を指し、血液中にある脂質や細胞膜を構成する脂質も含む。
内臓脂肪と皮下脂肪は、体脂肪がどこについているかで分類したもので、それぞれ増えた脂肪細胞の約7割が内臓脂肪、残りが皮下脂肪と考えられている。
食べ過ぎによる肥満が進行すれば、内臓脂肪は確実に増加。つまりメタボリックシンドロームの元凶とされる腹部肥満を招いてしまうのである。
・お尻や太腿につきやすい。 ・減りにくい。 ・女性につきやすい。 |
・内臓の周囲につく。 ・つきやすく減りやすい。 ・男性につきやすい。 |
三大栄養素の一つである炭水化物はエネルギー源になる。
炭水化物はまず体内でブドウ糖に分解される。血液中のブドウ糖が血糖である。
食事をとって血糖が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌される。
ブドウ糖を肝臓や筋肉に摂り込みエネルギーとして使うには、このインスリンが必要で、インスリンが正しく働かなければ脂肪を蓄積してしまうのである。
ゆっくりと血糖値を上げればインスリンの分泌は緩やかになり、ダイエットにもつながる。
脂質は高エネルギーだけに、摂り過ぎは肥満のもと。気をつけて摂りたい栄養素である。
食事から摂れる脂肪には、動物性脂肪、植物性脂肪、魚油などがあるが、中でも意識して減らしたいのが、肉、卵、バターなどの動物性脂肪。
動物性脂肪に多く含まれている飽和脂肪酸は、摂り過ぎると肝臓でコレステロールの合成を促進し、血中コレステロール値を上げてしまうことから、高脂血症や動脈硬化症との関連が高いといわれている。
ただし、肉や卵はたんぱく質源でもあるので、極端に制限する必要はない。
植物性脂肪はオリーブ油、ごま油、大豆油など。 また、魚油に含まれるEPAやDHAは血中の中性脂肪を減らす働きがある。
脂肪の量だけでなく、脂肪の質にも目を向け、摂取のバランスを考えることが大切。
これらのことから、肥満を改善するためには、体内の中性脂肪の量をコントロールすることが必要である。
運動などで体内の余分な中性脂肪をどんどんエネルギーとして燃やすと、体脂肪が減って、代謝が正常な状態に戻ってくるのだ。
内臓脂肪がたまりやすいのはこんな人! | |||
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参考文献/「メタボリックシンドロームに勝つ!内臓脂肪撃退ダイエット」(主婦と生活社)
地球温暖化が、人類も含む生物全体に深刻な問題をもたらすことが指摘され始めてから、健康への影響もデータによって裏づけされています。
身をもって地球温暖化を防止していく必要が出てきているのです。
実際に、暖冬の連続、真夏日の増加により、私達は気温の上昇を実感することがあります。 海面の上昇や生態系への異常の他に、気温の上昇は直接、人の体へ影響を与えることも考えられます。
まず、夏に熱中症にかかる危険性があることが分かっています。 特に、子どもや高齢者など、暑さや熱の適応力が低い人達がかかりやすい疾患です。 数十年前と同じような行動をしていても、体が耐えられないのです。 実際、1日の最高気温の上昇につれて罹患率が増加しています。
2003年の夏に起こった欧州の熱波により、死亡率に影響が出たことも記憶に新しい事実です。
さらに、「地球温暖化の日本への影響2001 概要(環境省)」では、「日最高気温と高齢者の死亡率についてはV字型の関連があることが分かっているが、気候が温暖になるにつれてV字型は高温方向にシフトすることがわかった。」とあります。
これは、温暖化がすすむにつれて相変わらず子どもと高齢者の罹患率は高いものの、患者数が全体的に増加している、という意味。 体力に自信がある世代でもかかる可能性があるので、全ての人が熱中症予防への心構えをしておかなければならないのです。
炎天下でのマラソン、スポーツ時は特に注意をしなければなりません。 しかし、熱中症は外で起こるとは限りません。 屋内であっても、風通しが悪く、湿度が高い場所なら熱中症になる可能性があります。
熱中症とは、熱射病、熱けいれん、熱湿疹、熱疲労など、暑熱環境で発生する障害の総称。
熱中症には最高気温、気温30度以上の継続時間、湿度、風速、日照時間などの気象因子が影響します。
次のような環境にいる場合は熱中症にかかる危険があるので注意しましょう。
どんな症状が?
熱中症を防ぐために
いざというときは?
熱射病が起こった場合、とにかく体温を下げることが先決。涼しい場所へ移動した後、水をかけたり、濡れタオルを体にあてたり、風を送ります。
首、脇の下、足の付け根などには太い血管があるので、特に氷などをあてると効果的です。
そして、すぐに病院へ行きましょう。
※参考資料/環境省「熱中症保健指導マニュアル」より
気温が高くなることにより、動物や昆虫の生息が北上してくることが予想されています。 もちろん、それは全生物に対してもありえること。コガタハマダラカやネッタイシマカなど、感染症を媒介する動物も日本でみられるようになり、マラリア、デング熱などの増加が懸念されています。
ニューヨークで発生し、その後、欧州へと拡大した「西ナイルウイルス」も地球温暖化による気候の変化が強く結びついているのではないかと言われています。
それは、次のような分析です。
気温の上昇による暖冬、春夏の乾燥、夏の長雨などの条件が重なり、蚊が大発生。
西ナイルウイルスに寄生された蚊が出現することにより、鳥や人への感染が広がったのではないかということです。
西ナイルウイルス |
原因になるフラビウイルス科フラビウイルス属のウイルスは、日本脳炎ウイルスやセントルイス脳炎ウイルスに似ています。 主に鳥類に感染しますが、ほ乳類、人への感染も報告されるようになりました。 症状は風邪に似て、重症ではないが、重い脳炎を発症する ことがあります。 |
健康をはじめ、自然、農業、産業などあらゆるところへ影響を与える地球温暖化。 二酸化炭素排出の6%削減を目標とする 「京都議定書」の発効により、世界で、日本で対策がすすめられています。
もちろん、企業や家庭でも地球温暖化の防止に取り組んでいるところがあります。 もし、まだ取り組んだことがなくても、今からすぐに始められることがあります。
一言で言えば「エネルギーを節約すること」。 今、ほとんどのエネルギーは石油などの化石燃料から作られています。 エネルギーを使うことにより二酸化炭素が発生するので、これを抑えることが大切です。
具体的には、電気やガスの使用量を減らすとか、車の使用を控えるとか、水の浄化にもエネルギーが使われるため、水の使用量を減らすなどです。
余分な包装やスーパーのレジ袋を断り、ゴミを出さないことでも、二酸化炭素の排出は抑えられます。
一つ一つの行動は小さくても、全員が行えば、大きな二酸化炭素削減につながります。
まずは、できることから始めてみませんか。
身近でできる地球温暖化対策 |
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◆エアコンの使用を控える。 温度設定を夏なら1度高く、冬なら1度低くする |
◆テレビをつけっぱなしにしない。 見たい番組を選んで。ON・OFFのメリハリをはっきりと。 |
◆車の使用を控える。 近場への移動なら徒歩で。健康にも良いでしょう。 |
◆アイドリングをしない。 長時間車を停める時はアイドリングストップを。 |
◆買い物袋を持ち歩く。 不要なレジ袋は断る。 |
◆水を出しっぱなしにしない。 シャワーの流しっぱなし、歯みがき時の無駄な水の出しっぱなしをやめる。 |
※参考資料/「STOP THE 地球温暖化 2005」環境省より
古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。
イスラエルの北部に位置し、国内で3番目に大きな都市「ハイファ」。
近代的な製油所や鉄道・自動車の修理工場、ダイヤモンド研摩、紡績、肥料、セメント、石鹸などの工場が点在するイスラエル最大の工業都市であり、貿易港でもあります。
この地は、マイクロソフトやインテルなど有名メーカーの研究拠点があり、
また微細藻類専門メーカー・日健総本社の
筆頭顧問であるアミー・ベンアモツ教授が、
ドナリエラの研究・開発に力を注がれている
「イスラエル国立海洋湖沼研究所」のセンターがあります。
地中海に面したこの町は、古くから海の玄関として機能し、ヨーロッパからユダヤ人の移民が初めて降り立つのが、この地であったといわれています。 人口は約30万人、ユダヤ人とアラブ人が混在し、海からわずかな距離で標高200mほどに達するカルメル山の麓に広がっています。
地下鉄「カルメリット」
カルメル山とは、地中海に突き出た半島を中 心に、南北に延びる山ですが、日本流で言えば 『だだっ広い丘』といった感じです。 ハイファの町は、海から山に向かって伸びていることから、町中の道の大半は坂道であり、その為、イスラエル国内で唯一の地下鉄「カルメリット」が町の中心部から山頂の駅を結んでいるのですが、地下を走るケーブルカーといった感じで、世界的にも珍しいといわれています。
頂上に近付くにつれ、閑静な住宅地が続き、庭には色とりどりのブーゲンビリアが咲いているのが見えます。
そして、頂上から海を背景に見下ろすと、中央には金箔の屋根を持つ白いバハーイー教の 「バブの廟」と「庭園」が見えます。バハーイー教とは、19世紀半ばにイランでバハーウッラーが創始した一神教で、人類の平和と統一を究極の目標とし、真理の自己探求、男女平等、極端な貧富の差の排除など、発祥地の中東に留まらず、世界中に 300万人の信者を持つ普遍宗教といわれています。 ハイファは、ユダヤ教以外の宗教にも寛大で、ここはバハーイー教の聖地なのです。
山の斜面に沿って建造されているこの庭園は、山頂から麓に建つバブの廟へと、19の階段から成るテラス庭園で、噴水、彫刻を施した装飾品、様々な種類の草木、テラスは長さ1キロに及び、最上段は地上225mに届きます。
「バブの廟」と「庭園」
山頂から眼下に広がる緑豊かに生い茂る町並みと、真っ青な地中海との調和された美景に息をのみ、思わずその場に佇んでしまいます。 また夜になると、バブの廟やテラス庭園は美しくライトアップされ、煌めきながら山の中腹に浮かび上がります。
カルメル山上や庭園からの眺望も、また麓に広がる街からも、そして昼も夜も。いつでも、どこからでも素晴らしい景観が楽しめることから、ハイファの「顔」として訪れた人々の心を惹き付けています。
山の上より望むハイファの町並み