クロスタニン・ドナリエラの日健総本社ホームページ

健康の輪デジタル新聞

2007年6月号

[特集]漢方薬・ハーブに見る植物の力

今のように、即効性があり、一般の人が手軽に買って飲める薬がない時代、人は植物、時には動物などの自然界の力に頼っていた。
先人が長い時間をかけて考え出した自然界の薬に、今、注目が集まっている。

 

現在、最も求められている力

漢方薬やハーブが使われ始めたのは、もちろん、科学の力に頼っていない頃。 長い間の経験や研究が積み重ねられた結果、植物が体の症状に良い影響を与えることが分かっています。

古い歴史からすたれることなく、現在にも息づいているのは、やはり、体が自然を求めているからとも言える。

「原点に帰る」という考えが広がっている現在、植物の力で健康を保つ方法を求める人が増えていることにも納得できる。

医学的根拠のある漢方薬

漢方薬は、東洋医学の「自然と人体は一体で、自然の法則が人にも通じる」という考えに基づいて作られている。
今でこそ、ある症状に効く薬草の処方の仕方が分かっているが、自然界に存在する膨大な植物の中から、 症状に効く薬草を発見するのは至難の業ではないだろうか。 その最初の取りかかりに「自然と人体は一体」の考え方が用いられている。

具体的に言うと、人体の症状と似ている植物を探してから調べられていたようだ。例えば、赤い色の植物は血に関する症状に効くのではないか、という具合に。 実際、出血が止まった後の血は黒くなるが、薬草を炭のようにあぶってから、止血に使う薬草がある。
やはり、体は自然を求めているのだ。

健康に作用するハーブ

漢方薬と同じように歴史の深いハーブ。 古代エジプトのクレオパトラが化粧水など身の回りのおしゃれにハーブを利用していたと記録が残っている。

後にギリシア、古代ローマ帝国へハーブが伝わると、医療用としての研究が進められ、兵士の傷や病気を治したと言われている。 帝国が拡大したのはハーブのおかげではないだろうかという仮説もたてられている。

その後も世界の王侯貴族の間でもてはやされ、日本でも今、ハーブティーやアロマテラピーなどとして楽しまれている。 ハーブの良い香りでリラックスしたり、気分がすっきりしたりという経験をした人も多いだろう。

使い方を間違わなければ、 安心して利用できるハーブ。 漢方薬も含め、植物は人間の健康に欠かせない存在になっていることが再認識できる。

 

[健康長寿を目指して]健康100歳を目指して─いわゆる心身症とその周辺

日本心身医学会は、心身症を 「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。
ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」 と定義しています。
心身症とは、特定の疾患を指すのではなく、 ある身体疾患の治療に 関して、心理社会的要因を考慮する必要がある場合に、その疾患は『心身症』としてとらえられることになるのです。

呼吸器系の心身症

呼吸器系の心身症としては、気管支喘息、過換気症候群、神経性咳嗽などがその代表的な疾患とされています。

気管支喘息は臨床症状として、喘鳴(ヒューヒューという音)を伴う呼吸器困難が発作的に起こるものです。 そしてその発症と経過に心理社会的要因が密接に関与していることが明らかになった症例が、心身症としての気管支喘息になります。
しかし、気管支喘息は必ず喘息発作を伴うので、治療においては、まずは発作のコントロールが主体となり、その上で心理的な治療が行われます。

過換気症候群は、その臨床症状である動悸、不安、呼吸困難、胸部圧迫感などが突然出現します。特に夜間に過換気発作が起こって救急車で病院に運ばれるケースが多いようです。
一般的には、精神安定剤の注射や投薬を行うだけで、原因の説明はなく、「ストレスのせいだ」などと言われて終わることが多いようです。

神経性咳嗽は、乾いた咳が6ヵ月以上続き、心理的因子の関与が考えられるものをいいますが、わが国ではあまり多くないようです。

循環器系の心身症

循環器系の心身症としては、本態性高血圧、虚血性心疾患などが挙げられます。
本態性高血圧は原因のわからない高血圧です。高血圧疾患の代表的な病名で高血圧症の90%がこれに含まれます。

また、白衣高血圧というものがありますが、これは白衣を着た医療関係者の前で血圧が高くなるもので、不安、緊張の高い人がなりやすいといわれます。
前者の場合は慢性的にストレス状態におかれると発生頻度が高くなり、後者は急性のストレスで血圧の上昇がみられるといいます。 いずれもストレスとの関連性が認められています。

虚血性心疾患の代表的な疾患は心筋梗塞です。心筋梗塞についても、ストレスとの関連性が指摘されていますが、対処が可能な「明らかな身体症状」があり、患者さんが身体症状を訴え続けることはありません。
過度なストレスは時には生命の危険につながることもあり、心筋梗塞の予防においては、心理的な側面から重要なのです。

内分泌・代謝系の心身症

内分泌・代謝系の心身症としては、摂食障害、糖尿病、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(粘液水腫)などが代表的なものです。

摂食障害は、近年、非常に増加している疾患で、拒食症と過食症に分類されますが、特に最近は過食症と、拒食と過食を繰り返す摂食障害が増えています。摂食障害は明らかな精神障害であり、内分泌・代謝系異常が認められることもあります。

糖尿病は「インスリンの絶対的分泌不足(インスリン依存型糖尿病)や相対的作用不足(非インスリン依存型糖尿病)により、高血糖をきたす疾患」とされ、良好な血糖コントロールによって、合併症を防止することを、その治療目的としています。
そのためには日常生活を自己管理することが必要ですが、この自己管理行動に心理社会的要因が絡んでいるため、心身症とされることがあります。 しかし明らかな血糖値の上昇という身体症状が現れるため、対処療法となります。

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの数値が高くなり、臨床的には動悸、息切れ、疲れ、発汗過多、頻脈、体重減少、眼球突出、感情の不安定、興奮、集中困難などの症状が出ます。

この疾患にストレスが関わっていることは以前から知られていますが、ストレスとの関連により、臨床症状がパニック障害などの不安性障害に類似しているため、精神疾患との区別をする鑑別診断がとても大切になります。

特に眼球突出などの外見があまり目立たない症例では、精神疾患と誤診されることもあります。

成人の甲状腺機能低下症で、皮膚粘膜の硬い浮腫様変化を伴うものを粘液水腫といいます。
更年期の女性に多く見られますが、若い人でも発症します。 原因としては自己免疫反応による慢性甲状腺炎が最も多く、発見者の名をとって橋本病と呼ばれます。

身体症状としては、皮膚の浮腫様変化、発汗減少、脱毛、体重増加、寒冷過敏症、便秘、徐脈、月経異常などが認められ、精神症状としては、精神活動の鈍化、疲れ、意欲低下、抑うつ傾向、記憶力低下などがあり、初老期の抑うつ状態との鑑別が特に大切ですが、中でも、身体症状がはっきりせず、精神症状の方が目立っている症例には注意が必要です。

目立った身体症状がない場合に、甲状腺機能検査がされず、更年期障害、仮面うつ病などと誤診されているケースもあります。 患者さん自身が甲状腺異常の可能性もあることを留意しておく方が賢明でしょう。

 

[気になる実になる健康講座]環境が及ぼす健康への影響(4)─環境汚染物質、土・水編

人間は土と水がなければ生きていけないと、よく耳にします。
しかし、現在の土と水の全てが安全なものと言えるのでしょうか。

(図解)水は地球上を循環しています
水は地球上を循環しています。良い土は良い水を、良い水は良い土をつくります。

密接なつながりを持つ土と水?

地球上に存在する水の量は決まっています。蒸発してなくなったように見えても、再び空から雨となって大地に戻ってきます。土に染みこんだ水はやがて川や海に流れ、空へ蒸発していき、再び雨となる・・・。
このように、水環境は場所を移動し、様々に形を変えながら、地球上を循環しているのです。

近年、山に木を植える漁師が増えています。この行動は、森林がなければ、魚のエサになるプランクトンなどの栄養が作られなくなるために行われています。
水は土に染みこむことによって浄化され、同時に、水に住む生態のための栄養を運びます。 良い土壌をつくるために、漁師は森林をつくっているのです。

土にとっても、適度な水がなければ植物や微生物を育てることができません。土と水はお互い、持ちつ持たれつの関係で地球に存在しているのです。
そのため、どちらかが汚染されると一方も汚染されてしまいます。現在、地球環境の悪循環に陥っています。 これを断ち切ることが、私達の今後の課題です。

植物や健康に影響を与える土壌汚染

1968年のイタイイタイ病は、神通川の上流にある鉱山から流れ出た、カドミウムを含んだ排水が原因だった事件。この川の水で育った米を食べたことにより、病気が発症しました。
その後も、工場近くの土壌が鉛、ヒ素、 トリクロロエチレンなどの有害物質によって汚染されていることが頻繁に発見されています。

土は、有機物を吸着したり、微生物が有機物を分解するなど、汚れを浄化する働きを持っています。 しかし、重金属や化学物質は分解が難しく、土壌が持っている浄化作用の限界を超えると汚染されていきます。
土壌はいったん汚染されると、長い期間汚染状態が続きます。 土壌汚染は、人の健康への被害、野菜や植物への被害、地下水への汚染など様々なところに影響を与えます。

土壌を汚染する物質にはいくつかあります。 まず、水銀、カドミウム、鉛などの重金属。 これらは水に溶けにくく、土壌に吸着しやすい物質です。
人の体に蓄積しやすいので、必要以上に摂取すると、健康に被害を及ぼす物質です。

もう一つは揮発性有機化合物。 これにはトリクロロエチレンが挙げられます。 安全な物質と考えられていた時期があり、大量に使われたこともあった物質です。
殺虫剤、除草剤などの農薬も土壌を汚染しますが、現在は開発が進み、より安全性の高い農薬が使われています。

一部では、安全策がとられ始めていますが、土壌汚染は簡単には解決しません。
ここ数年でも、土壌汚染の事例件数が多くありました。 これらを受けて、2003年に土壌汚染対策法を施行。 土壌汚染の状況を把握し、人々の健康被害を防止していきます。
少しずつですが、現在は改善への道が開かれています。

家庭でも気をつけたい水質汚染

直接、土壌汚染にもつながる水質汚染はかつてから深刻化していました。高度成長期に起こった事件もいくつかあります。 さらに、近年の工場排水、山の開発、都市部の人口集中、コンクリートやアスファルト舗装によって水質被害が増大してしまったのです。

本来、地下水は雨水が地中でろ過されたきれいな水。 しかし、地表に比べて流れが遅く、枯渇しやすいため、化学物質汚染が蓄積しやすいのです。 そのため、土壌と同じく、一度地下水が汚染されると元に戻すことが難しいとされています。

また、地下水をくみ上げ過ぎると、近くの湧き水が枯れ、水質生態系への影響、地盤沈下も起きます。地下水の大量消費も問題視されました。

このように、工場排水ばかりが注目されますが、1970年に成立された「水質汚濁防止法」により、実は、工場や事業場からの排水は改善してきているようです。

新しいところでは、ダイオキシン類などの有機化学物質による汚染があります。 農地で使った窒素肥料や生活排水に含まれた窒素化合物も土壌で徐々に分解され、有害な硝酸性窒素として地下水に染み込むことも問題になっています。 私達自身や身近でも水質を汚染させる原因をつくっていることにも気づかなければなりません。

地球全体で取り組むべき課題

水質汚染に関しては、日本ばかりでなく、世界中でも、世界水会議や世界水フォーラムを開催し、水環境問題に取り組んでいます。
長い歴史をかけてつくりあげられた土壌と水環境を、ほんの一時の間に悪化させてしまいました。
今からでも遅くはありません。これを回復させるための努力が今、必要とされているのです。

土壌汚染を防ぐために家庭でできること

◆ゴミの量を減らす
家庭でのゴミ処理禁止や性能の良いゴミ焼却場が出てきたと言っても、処理能力を超えるような大量のゴミはご法度。
また、不法投棄の危険性を減らすためにも、リサイクルに協力することが大切です。

◆電池などの有害な金属を土中に埋めない
廃油や電池などは処分方法が決められています。
各自治体に問い合わせて、自己判断しないようにしましょう。

家庭排水からも水質を悪化させない!

◆調理くずを流さない
三角コーナーの編み目を小さくするなど、ご飯粒や茶殻はできるだけ流さない。

◆油を流さない
揚げ物に使った食用油だけでなく、お皿に残ったカレーやソースなども古布などで拭き取ってから洗いましょう。

◆洗剤は正しく使う
洗濯や食器洗いに使う洗剤を無駄に使っていませんか。合成洗剤は一度水に溶けると分解されにくい物質と言われています。

◆ゴミの焼却から出るダイオキシンの問題
大気中に広く存在していますが、日本全国の排出総出量は平成9年と比べ、平成16年には約96%削減されています。
今もなお、ダイオキシン類対策関係省庁会議が設置され、政府が一体となって ダイオキシン類対策を推進しています。

※参考資料/○環境省・(財)日本環境協会「土壌汚染対策法のしくみ」
○(財)日本科学技術振興財団「地球を守る」

 

 
イスラエル地図

[トピックス]イスラエルの風土・その(2)─小さな国土に海・山・砂漠の大自然

古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。
地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。

 

山脈や高原、肥沃な大地が国土の半分を占めるイスラエル。 その国土の西部から海岸平野、高原、ヨルダンの谷(地溝帯)が、縦じま状に並んでいます。
地中海に沿って南北に細長く海岸平野が伸びており、砂浜を形成していますが、北部は砂岩の崖や複雑な石灰岩が海から垂直に切り立っています。海岸平野は、年間を通して水に恵まれ、内陸約40qまで肥沃な農地として拡がり、穀物・果実などが栽培されています。 また農村の一部はキブツ(集団農場)で、農業開拓の役割りを果たしてきました。
そして、この海岸平野にイスラエル人口の約半数以上が居住し、主要都市や港、工場、農業と観光の施設の多くが、この海岸平野に集まっています。
その中でもハイファの石油精製、死海のカリ塩工業などが盛んで、ダイヤモンド加工なども有名です。


エルサレムの花畑

またイスラエル国内には、いくつかの山脈が伸びています。
イスラエル北東部、シリアに接する平均標高約1000m、全面積約1200kuの規模をほこるゴラン高原。世界中で最も渡り鳥を目撃することが出来ると言われる、フーラ盆地(渓谷)を見下ろすようにそそり立っています。土壌は水はけが良い火山岩や玄武岩で出来ており、緩勾配の斜面と台地からなっています。


ゴラン高原

ガリラヤ丘陵は主に柔らかい石灰岩と白雲石から出来ており、高さは海抜約500〜1200mです。水の涸れない小川や比較的豊富な雨量のため、この地方は年中緑が保たれています。

そして、海抜約600〜800mに位置する広葉樹林地帯のサマリア丘陵とガリラヤ丘陵に挟まれているのが、イスラエル国内で最も肥沃と言われるエズレル平原です。
遺跡丘(テル)メギドを含むエズレル平原一帯は、肥沃な土壌と温暖な地中海性気候に恵まれ、イスラエル有数の穀倉地帯になっています。
小麦畑や綿花畑が拡がる、のどかな田園地帯で、起伏に富んだ丘陵地帯は「神が種を播く」という地名の由来のとおり、豊かな実りに祝福されます。キブツやモシャブといったこの国独特の農業公社によって、綺麗に区画整理された大規模な畑が、見渡すかぎりどこまでも拡がっています。


ガリラヤの丘からの展望

エルサレムが位置する一帯は古来からジュディア・サマリアと呼ばれ、旧約聖書の主要な舞台となってきました。 起伏に富んだジュディア・サマリアの丘陵では、緑のオリーブの老木が点在する肥沃な盆地と、基本的には草木一本生えない荒野で、原始の地球を思わせるデコボコとした岩の連なりの褐色の岩山とがモザイク模様をなしています。
階段状の丘陵はもともと古代の農民によって開発されたものであり、今ではすっかり自然の風景にとけこんでいます。


ガリラヤ湖畔

▲ページトップへ

 

日健総本社へのお問い合わせはフリーダイヤル0120-130501

Copyright (C) NIKKEN SOHONSHA CORPORATION All Rights Reserved.