死亡者数が年間30万人を超える"がん"。
日本の死亡原因第一位を占めており、体のあらゆるところにできる可能性がある病気だ。
いざという時のために、基礎知識をもう一度、確認しておこう。
そもそも「がん」とは、細胞増殖のコントロールを失い、異常に増え続ける細胞の固まりのこと。がん組織の固まりは腫瘍と呼ばれ、正常な組織に侵入して破壊してしまうやっかいものだ。
そして、がんは体のあらゆるところにできる。罹患数の多い胃や肺などの臓器に、男性特有の前立腺や女性特有の乳房や子宮、甲状腺、白血病や悪性リンパ腫といった血液やリンパの中にまでがんは発生する。皮膚がんは、私たちが普段、目にすることができる唯一のがんとなる。
イギリスの疫学研究者がまとめた、アメリカ人のがん死亡の原因には、割合が高い順に次の内容が挙げられている。 食生活、たばこ、ウイルスや細菌などの感染、生殖要因や性行為、職業、飲酒、自然放射線や紫外線などの地球物理環境など。要因の中には、普段の生活の中で避けられるリスクもある。
また、世界保健機関(WHO)と食糧農業機関(FAO)がまとめた冊子の中には、運動で結腸がんのリスクが低くなること、過体重と肥満で食道、結腸、直腸などのがんのリスクが高くなることが分かっていると書かれている。
がんの治療はとても複雑で、がんを完全に取り除くのか、症状を改善させるのか、延命のためにするのか、がんができた場所や進行程度などにより治療方針は決められる。
しかし、基本的には、がんと診断されたら、がんをできるだけ取り除き、転移を防ぐ治療が行われる。手術、放射線療法、化学療法などが行われていくが、複数を組み合わせて治療していくこともある。 治癒が望めなくても症状を緩和させる治療も多く、それぞれの治療のメリットとリスクなどを理解したうえで治療は進められていく。
死亡原因第一位のがんだが、一部のがんでは早期発見、早期治療も可能になってきている。そのためにも、無症状のうちにがん検診を受けることが必要だ。
がんだからと恐れず、正しい知識を持って検診、治療を受けていけば、克服できる可能性は高い。
参考資料/独立行政法人 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」
『新しいことへの挑戦を続ければ、体は老い衰えても心の若さはいつまでも続く』 日野原重明(聖路加国際病院名誉院長)
夏の青空が広がる中、川の近くでキャンプをしている人達をよく見掛けます。日常から離れ自然の中に身を置き、心も体も解放される…。実は、アンチエイジングにとても良いと言われているのです。
こんな話があります。2泊3日のキャンプに参加した20?70歳の男女に、免疫機能を調べるため事前と事後に採血の協力をしてもらいました。
キャンプ初日は、フィットネス体験、有機野菜を中心とした地元食材を使った夕食、その後はフルートとピアノのコンサート。2日目は川遊びで魚を獲り、昼食は自分達で獲った魚を味わい、化石探し探検の後は温泉に入り、夕食後はホタル鑑賞。3日目は地元の朝市に行き食材を揃え、薬膳そばと餃子の昼食…。
免疫機能を測定する採血の結果は、ほとんどの人のナチュラルキラー細胞が増えていました。中でも一番増えた人は、キャンプの初日と終わりで約5倍も多くなっていました。ナチュラルキラー細胞とは、がん細胞やウイルスに感染した細胞を殺すリンパ球のことですが、この3日間で増えたということは、自然体験の影響だといえます。
特に2日目は川遊びを未経験の人達が、川の流れに身をまかせてプカプカと浮いたり、小さな滝の中に潜り込んだりと楽しく自己解放をしました。大自然の魅力に触れることで、体も自然に反応し、そして体だけでなく心も解放され、私達が本来持っている能力が高められたのだと考えられます。
皆さんは手の指と同じように、足の指を大きく開いたり、曲げたり、一本ずつ動かすなど、足の感覚を鍛えたことがありますか。
また普段、外出する際などは靴を履いて生活をしていますが、家の中ではスリッパを履いている方も多いのではないでしょうか。
先に述べたキャンプの川遊びの時、川底のコケむした石で滑らないように、またゴツゴツした石に乗って転ばないようバランスを取ったり、足の裏や指が意外と活躍してくれることに気付きます。また足には手の平と同じくらいの骨があり、小さな骨は非常に複雑な働きをします。そして、この「足の裏センサー」を使うことは、脳を非常によく刺激してくれるのです。
家の中は裸足で過ごす。スリッパも靴下も脱いで、裸足になって歩き回りましょう。じゅうたん敷きの部屋もあれば、畳やフローリングの床もあるでしょう。それぞれ感触は違いますがスリッパや靴下を履いていては、その感触の違いもわかりません。足の裏で感じましょう。そのセンサーからの情報が脳のアンチエイジングにつながるのです。
普段、都会では滅多に見られない雪景色。ある50代の女性が雪国へ行き、深々と雪が降り積もっていくのを見て、10歳の頃に雪の中で転げ回った楽しい記憶が蘇ると語りました。すると翌日に雪原へ出て、その女性は雪の中で転げ回ったといいます。
正に彼女は童心に返り、脳の記憶の中に眠っていた雪遊びの楽しさを引っ張り出し、 「10歳の自分」に若返ったということなのでしょう。
子供の頃に感じたトキメキは、脳の記憶の回路に入っています。そして一生この回路は生き続け、子供の頃にトキメキを感じた時と同じような環境に置かれると、この回路が動き出します。回路の中にあるシナプス(神経細胞にあるアンテナのようなもの)から神経伝達物質が放出され、トキメキによって脳が興奮し若返るのです。
これまで脳神経は、死滅するだけで増えることはないと言われてきましたが、1998年にスウェーデンのイエテボリの研究者が、脳の神経細胞は新しく生まれ変わることを発見しました。高齢者であっても、脳は若返る可能性があるということです。
それには脳を刺激しなければなりません。子供の頃のトキメキを追体験したり、今からトキメキを感じるものを見付け出すのもいいでしょう。100歳を過ぎても、若々しい人達に共通しているのは、好奇心が非常に強いこと…正にトキメキではないでしょうか。
参考資料/100歳までボケず元気に生きる101の法則
体力が落ちている時や、免疫力が低下している時は病気にかかる割合や、同じ症状でも重症化する場合が多くなります。そんな時に症状をひどくさせないための方法をご紹介します。
人間には体内へ侵入したウイルスや細菌などの異物から、身を守るための力が備わっています。これを免疫力と言い、低下すると、感染症やさまざまな病気にかかりやすくなり、また病気やけがを長引かせてしまうこともあります。
具体的には、かぜをひいたり、かぜをこじらせて肺炎を起こしたり、中耳炎、口内炎、頭痛を感じることもあります。
個人差もありますが、一般的に免疫力は疲労や栄養不足、ストレスなどによって低下すると言われています。また、もともと高齢者や乳児は免疫力が低いため、普段から感染症などにかからないよう注意が必要です。
また体力の低下は、筋肉量の低下につながります。筋肉量が低下すると体を動かすことがままならなくなり、日常生活に支障が出てきてしまいます。元気に動いて、しっかりと食べることで、筋力をつけることができるため病気予防にもなります。
長時間の作業をしている間は、休養をとることでその後の作業の効率が良くなるという話を聞いたことはありませんか。人間にとって休養をとることは、日常生活の活動にはとても必要なことで、体力や免疫力の回復にもつながります。
睡眠は脳と体の1日の疲れをリセットします。もし脳に休養を与えないと、脳から体へ出される指令がうまくいかなくなります。人間は、およそ1日に7?8時間の睡眠が必要と言われており、さらに、午後にとる15分ほどの昼寝も効果的と言われています。
免疫力が低下してきたな、と感じたらすぐに休養するようにしましょう。
私たちの体を作る源となる食物。栄養の偏りは体の中のバランスを崩すことにもつながるため、できるだけたくさんの種類の食物からさまざまな栄養を摂りましょう。
筋肉や内臓の構成成分となるのはタンパク質。嫌われがちな糖質や脂質もエネルギー源となったり、細胞膜や血液を強くしたり、適量の摂取が必要です。
免疫力を高めるために有効な栄養素はビタミン。ビタミンCは免疫細胞の働きを活性化してくれ、β-カロチンは体内でビタミンAに変換されて粘膜の乾燥を防ぎ、体外からの異物の侵入を防ぐなど、各種のビタミンがいろいろな角度から免疫力を高めてくれます。
筋肉量は20代をピークとして、その後、年齢と共に低下してしまいがち。そのため、20代まではしっかりと運動をして筋力を高め、20代を過ぎても運動、特に筋力トレーニングを続けて、元気に動ける生活を送りたいものです。
筋力トレーニングと言っても、ボディービルダーのようなトレーニングをするわけではありません。体を支えるために必要な腹直筋などを鍛えると、余分な脂肪も落ち若々しい体にすることができます。
ストレス解消も免疫力を高めます。入浴、軽いスポーツ、趣味を楽しむこと、マッサージなど。ストレスがたまる前に気持ちがすっきりできる方法を見つけて、健康を維持しましょう。
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「麻疹(はしか)」は感染力の大変強い感染症。自身の予防、周囲に感染を広げない為にも予防接種が有効です。麻疹は子供だけの病気ではありません。成人も要注意!
麻疹(はしか)感染症発生動向調査の麻疹患者累積報告数によると、2011年第20週・週平均累計報告数は39例(6月1日現在の累積は263例)で、2010年の同報告数14例と比較しても、大幅な増加を示しています。特に東京都と神奈川県からの報告が多く、全体の約半数超と際立っています。
2011年第1?20週の我が国全体の年齢群別累積報告数では、20歳以上が約4割を占め、更にこの内の約80%は20?30代の症例です。この中で「ワクチン接種歴なし」「1回接種歴あり」は各約45%、「2回接種歴あり」は2%、不明は約半数となっています。
麻疹は年齢を問わず命に関わる重篤な疾患です。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染など様々で感染力は非常に強く、免疫のない人の90%以上が感染をします。
麻疹は感染から約10日間の潜伏期を経て、38℃程の発熱、咳、くしゃみ、鼻水など風邪のような症状が始まり、数日後には口の中に特徴的な白い発疹(コプリック斑)が出現します。その後は一旦解熱しますが、再び39℃以上の高熱になり、喉の痛み、目やに、結膜炎などの症状と共に耳の後ろから顔、全身に拡がる特有の紅斑が出現します。
発疹は出始めから3日間程度続き、解熱と共に消え、色素沈着は残らず10日程で回復します。そして大人の麻疹は重症化するケースが多いと言われ、特に肺炎や脳炎の合併には十分な注意が必要です。
麻疹は、一度罹患すると終生免疫を獲得することができるので、罹患歴がある場合は安心することができます。また、罹患歴がなく予防接種を受けたのみの方は、念の為に麻疹の抗体価を測定しておくことをお薦めします。しかし、過去に罹患したかどうかも定かでなく、更に予防接種も受けていないといった場合は、できる限り早い段階で予防接種を受けられることをお薦めします。ずばり麻疹予防対策は、ワクチン接種なのです。
麻疹の治療法には特別なものはなく、症状を楽にする対症療法(一般的な風邪の治療)が主体となります。また肺炎などの合併症がある場合は、それに応じた治療の為に抗生剤の投与などを行います。
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大切なご家族の健康管理に『風っ子くらぶ』を是非お役立てください。
参考/国立感染症研究所 感染症情報センター
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