昔に比べて豊かな食生活になった現代。しかし、飽食の時代と言われ、栄養の摂りすぎ、偏食、生活習慣病の増加などの問題が起きている。
若者に広がる誤った食生活の情報も氾濫する社会の中、今、家族の健康を考え、現代の食を見直す時が来ている。
狩猟生活、稲作の伝来などを経て、食生活は長い歴史の中で変化してきた。特に、戦後は高度成長期と共に畜産物や油脂などの摂取が増加する一方、伝統的な主食のご飯の摂取が減少するなど、急速な変化に伴って、様々な問題が起きている。
食事そのものの内容の他に、外食の増加や調理品の購入などの食生活が変化し、不規則な食事時間、朝食の欠食、誤ったダイエットなどの問題を解決できるよう、私達には自らが「食」について考え、判断する力をつけるための「食育」が必要になると言われている。
食事バランスガイド
※SVとはサービング(食事提供量の単位)の略 [資料/農林水産省]
平成12年に当時の文部省、厚生省、農林水産省により策定された「食生活指針」の内容のおおよそは「食事を楽しむとともに、穀類、野菜、豆類、牛乳、乳製品を摂り、脂肪や塩分及び飲酒を控える」とある。この指針を利用するのも食育の一環になる。
また、多くの国でも同じような指針の策定を提唱しているが、日本には独自の内容も含まれている。そのひとつが「食文化や地域の産物を活かし、時には新しい料理も」という項目。その土地で採れる農産物はその土地の人の体に合っていると言われており、食料自給率を高める意味も含んでいる。
食品群別栄養摂取量
もうひとつは「調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく」の項目。買いすぎや作りすぎをせず、国の農産物を大切にしようという心がけが呼びかけられている。
このように、食の安心・安全について考えたり、地域の食文化を学んだり、世界の食料事情を学ぶなど、食育はあらゆる分野で取り組むことができる。最も重要なのは、食料や食生活を大切にする心を身につけていくこと。
ぜひ、将来の健康を大切にしてもらいたい子どもたちを含め、家族で食育に取り組んでもらいたい。
糖尿病の人に健康な人の2〜4倍の頻度で出現する動脈硬化症は、コレステロールの沈着などで、血管の内腔が著しく狭められた状態である。
糖尿病は血糖値が上昇する病気である。初期の糖尿病では空腹時血糖値は正常で、食後血糖値のみが上昇しており、進行すると空腹時血糖値も上昇する。食後血糖値上昇の原因は、肝臓や筋肉の糖取り込み能力の低下、空腹時血糖値上昇の原因は、肝糖産生の過剰にある。
現在、糖尿病は成因別に分類されており、膵臓のインスリン分泌細胞の破壊による絶対的なインスリン不足から発症する場合をT型、相対的なインスリン不足に加えて、膵臓・筋肉でのインスリンに関する感受性低下の両方によって発症する場合をU型と呼んでいる。
動脈硬化は診断の根拠となるような特定の症状がないため、なかなか理解しがたい病気である。それは、「動脈硬化」という言葉が狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった独立した病気ではなく、それらも原因となる「動脈の状態」を表すからである。
つまり、動脈の壁にコレステロールが沈着して厚くなったり、その部位が破裂して潰瘍を作り、その周辺に血栓(固まった血液)が付着することによって、本来の血管の内腔が著しく狭められた状態を動脈硬化というのである。
動脈硬化は年をとると、誰にでもある程度は起こる老化現象の一つであるが、糖尿病があると更にそれが促進されることがわかっている。 糖尿病の人の動脈硬化は、正常な人の約2〜4倍の頻度で出現しやすく、将来を決定する因子として重要である。
血糖が高い状態が続くと、動脈の壁が傷つけられるだけでなく、血液中のたんぱく質に糖がくっついて性質を変えたり、脂質の代謝を邪魔したり、動脈壁の細胞の増殖を促したりして、動脈硬化を起こしやすくする。 この他、止血させる働きを持つ血小板が異常に働くことなどにより、血管の狭窄部分に血栓が詰まりやすくなる。
そして、動脈硬化を引き起こす危険因子の代表的なものとして、糖尿病以外に、高血圧や高脂血症、喫煙、肥満などが挙げられる。 糖尿病の人は、こうした危険因子が重複しやすい特徴がある。
1.脳血管障害
脳の細胞に酸素や栄養素を送っている脳動脈に動脈硬化が起きて詰まると、その先の脳細胞が壊死を起こす脳梗塞となり、命に関わること糖尿病の人では、特に症状の現れない無症候性脳梗塞を含めて、脳梗塞の発症頻度が高いことが指摘されている。
2.虚血性心疾患
心臓の筋肉に酸素や栄養素を送っている冠動脈に動脈硬化が起こると、心筋に十分血流が届かずに血液不足の状態になり、
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)が起こる。
狭心症は、心筋の虚血状態が一時的に起こり、激しい運動をしたときなどに胸が苦しくなる病気である。心筋梗塞は、血管の狭くなった部分に血栓が詰まり、血液の流れが完全に止まった状態である。
糖尿病の人では、虚血性心疾患の発症率は、正常の人の約2〜3倍と高く、動脈硬化の程度も高度で、複数の血管に広範囲に及びやすい特徴がある。
3.閉塞性動脈硬化症
主に足の血管に動脈硬化が起き、血流が悪くなって下半身に障害が現れる。初めのうちは足が痺れたり、冷たくなるなどの症状が起こり、更に進行すると、「歩くと足が痛み、しばらく休むと痛みがとれる」といった「間欠性跛行」と呼ばれる症状が現れる。
動脈硬化の危険因子には、高脂血症、高血糖、肥満、血栓傾向(血液が固まりやすい)などがある。それらが互いに影響し合って、動脈硬化を促進する。危険因子を多く持っているほど、動脈硬化が進行しやすくなる。
夜なかなか寝付けない、朝、眠くて起きられない、昼間に眠気をもよおす、一緒に寝ている人にいびきが大きいと言われた・・・。
快適な眠りは誰もが望むことですが、睡眠障害で悩む人もいます。
原因を知ることで、解決へ一歩近づけましょう。
個人差がある睡眠。ナポレオンのように、3時間の睡眠でもよく眠れたと感じる人もいれば、8時間寝ても、すっきりしないと感じる人もいます。 また、年齢によっても睡眠時間や様子は変化してきます。
なかなか眠れないなどの悩みは多くの人が体験していますが、中には“危険な不眠”もあります。睡眠は体や脳を回復させ、明日の健康へつなげる役目。本人が眠れないと感じれば、専門医を受診したり、様々な方法で快眠を取り戻すことができますが、睡眠時無呼吸症候群のように、なかなか本人が気づかない睡眠障害もあります。
もし、夜のいびきの様子や昼間の様子で、何か睡眠にまつわることを指摘されたら、少し、注意してみましょう。
○不眠症
多くの人が悩まされている不眠。一回の不眠が悪循環を生み、生活に影響を与えることも少なくありません。「不眠症」には「睡眠時無呼吸症候群」「ナルコレプシー」なども含まれますが、全てをひとまとめに「不眠症」とする時、大きく、次のタイプに分けられます。
多くの原因はストレスです。時差のある国への旅行や精神的なストレスなどがあります。ストレスが原因ではないと思っていても、不眠になり始めの時期を思い出してみたら、急激なストレス環境にあった、ということもあります。神経症、うつ病などの精神障害によるものもあります。
また、身体的な問題で不眠になることもあります。例えば、不整脈や呼吸困難、喘息や発熱、かゆみなどです。身体疾患の場合は内科などで疾患そのものを治療することで解決できることがあります。
薬物やアルコール依存などで不眠になる場合も原因を取り除くことでぐっすり眠れるようになるでしょう。
○睡眠時無呼吸症候群
いびきをかいていたと思ったら、突然、静かになって、数秒から数分後、突然、再び「ガガガーッ」と猛獣のようないびきをかく、といった変わったいびきや、息苦しそうないびきを聞いたことはありませんか。この場合、本人は気づかないでいても、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
いびきの間の静かな時間は無呼吸状態。呼吸が止まると、苦しくなり、無意識に目が覚めて呼吸を始めますが、この時に猛獣のようないびきをかくのです。一晩に何回も繰り返す、中途覚醒タイプの不眠症にも含まれます。
そのため、昼間、眠気に襲われて気づかないうちに深い眠りに入ってしまい、大きな事故につながる危険性を持っています。新幹線の運転士の居眠り事故などが、この症状によるものだと報告されています。
睡眠時の無呼吸は扁桃肥大やアデノイドなどで、上気道(喉の空気の通り道)が閉塞されることによって起こります。また、多くの人が肥満、高血圧などの生活習慣病を合併していることも分かっています。
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各地の病院で、「睡眠外来」「不眠外来」が開設されています。もし、睡眠で気になることがあれば、一度、相談してみることをお勧めします。検査を行って、思っていたより眠れていると知り、安心できることもあるのです。
古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。
地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。
塩分濃度が海水の10倍で、生物が住めないことに由来して名付けられた「死海」。ヨルダンとの国境線上に位置し、南北に細長い塩水湖です。
南下するにつれ、だんだん水が干上がり、ただ白く塩が固まっているだけの大地となっていきます。死海の南端、西岸に沿って北上して行くと見えてくる、色々な変わった形をした薄茶色の山が『ソドム山』です。
ソドム山は、2004年2月の日健総本社・クロスタニングループ「創始者・田中美穂銅像建立への旅立ち」の時に、クロスタニン同志の皆様が訪れ、記念に塩の結晶を採取された場所でもあります。
この山は全てが岩塩で出来ており、辺りの地面の踏み心地が、サクサクと一足ごとに崩れそうな感じがし、この地面は土ではなく、塩であることを実感してしまいます。その山中に自然の生み出した芸術品とも言える岩の柱があります。それはアラブ民族の衣装を身に着けた女性の姿に見えることから「ロトの妻の塩柱」と呼ばれています。
ロトの妻の塩柱
旧約聖書の「創世記」に記された2つの古代都市「ソドム」と「ゴモラ」。旧約聖書の他の書でも堕落の象徴としてしばしば語られ、イエス・キリストも、派遣した弟子たちの言葉に耳を傾けない人や悔い改めない町について、「裁きの日にはソドムやゴモラより重い罰を受ける」と言っています。
「創世記」によれば、その時代のソドムは、正しい者が10人もいない罪の町であり、またゴモラも同じく退廃の町であったと伝えています。そのため神は、この2つの町に硫黄の火を降らせ、草木もろとも滅ぼしたとされています。
しかし、この町にあって信心深いロトとその家族は、神の憐れみにより、裁きが下る前に町を出て行きました。ロト一家は途中、町が滅亡してゆく轟音を耳にしたのですが、「何があっても決して振り返ってはならない」という神のお告げに従い一目散に逃げました。しかしロトの妻は、ただひとりこの言葉に背き、町の方を振り返ってしまいました。すると途端に、妻は塩の柱になってしまったそうです。
現在、ソドムは死海南部の湖底に沈んでいると言われています。そして現ソドムは、必ずしも創世記のソドムとは一致していません。また聖書における神の裁きの「天よりの硫黄の火」についても、各国の考古学専門家は、破滅的な出来事が神の激怒の結果ではなく、自然現象によって説明出来るとし、地勢の大変動(地震)により地中の天然ガスが天高く噴出し、それに何かが引火して大爆発が起きたと推測しています。
伝説の地「ソドム」は、未だ不確かな事が多いのですが、「ロトの妻の塩柱」は、「後ろを振り返るというのは、自分が残してきた生活(行い)や罪の中での歩みを懐かしみ、未練を持つことである。自分が信じた道を、後ろを振り返ることなく、前を向いてひたすら進んで行きなさい」という、確かな『教え』を私達に伝えようとしているのではないでしょうか。
岩塩で形づくられるソドム山の風景
山で採取された岩塩