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健康の輪デジタル新聞

2006年3月号

[特集]旬を自然のままに食べる日本の食文化を見直す

私達には、気候や風土に合った食べ物を食べる習慣が身に付いている。
西洋料理に偏ってしまった体質を改善し、健康な体を維持していこう。

 

今、食育が叫ばれる理由

健康につながり、命にも直結する「食」をあらゆる方面から学び、考える「食育」。食材、食事の環境、栄養バランス、食品の選択など、食の安心・安全が求められる時代に一石を投じている。

しかし、「食育」という言葉自体は以前からあったもの。いつでも、どこでも好きな物が食べられるようになってしまった食の氾濫は、生活習慣病の増加やストレスにまで影響を与えている。そのため、食生活を見直したい現代にこそ、食育が必要とされている。子どもにはもちろん、昔の日本の食文化を忘れかけてしまった大人にこそ、食育が必要なのかもしれない。

日本人の体に合った食習慣

日本人に生活習慣病が増えた理由に、肉類や脂分などを多く摂る欧米料理への傾きが挙げられる。人は自分の土地の食文化に従った食事を摂ることで、健康を維持してきたが、近年、急激にその食生活が変化してしまった。きっと、急激な「食」の変化に体がついていかないのだろう。

ミネラル、食物繊維が多い日本食が海外でも注目を浴びていることをみると、もともと、日本食はとても健康的だということも分かる。

生活習慣病や花粉症などのアレルギー体質には、根本的な体質改善が必要ともされている。私達の体の奥に記憶されている日本の食文化に戻すことで、健康的な体になるのかもしれない。

日本食の特徴

○低たんぱく、低脂肪。
○主食、主菜、副菜で食べることにより、栄養バランスが良い。
○野菜、海藻からビタミン、食物繊維、ミネラルを豊富に摂ることができる。
○四季折々の食材で調理し、味と見た目でおいしくいただける。
  旬の食材は栄養も豊富。

生活習慣病が多い欧米から日本食に注目が集まっています。

ぜひ、農薬や化学肥料を抑えた食材、旬の食材を

季節はずれの野菜、きれいな形の野菜、調理をしなくても手軽に食べることができる加工食品など、世の中の「食」は便利になった。しかし、季節のものには栄養がたっぷり含まれており、農薬や化学肥料を使わないものには、余分な化学物質を体へ取り入れてしまう心配はない。自然のままに育った、そのものの食材を食べることこそが健康につながる。ひいては、未来の子ども達の健康にもつながっていく。

健康につなげるためには、安全で安心できる自然食品を選び、日本食中心の食生活にすること。時には、各国の料理で食事の楽しみを作るのもいいだろう。健康的な「食」で、本物の豊かな生活を手に入れよう。

 

[健康長寿を目指して]生活習慣病の発症は遺伝子と関係する(2)

生活習慣病の進展には、加齢の時間軸の上で、遺伝子因子と環境因子が作用しているのである。また、平均余命が延長したと言っても、大部分の人の寿命には、80〜100歳の限界がある。それでは、老化そのものは何故、起こるのであろうか。

寿命の回数券テロメア

老化の特徴は、加齢に伴う進行性不可逆性の臓器の細胞数減少と機能低下である。その主な機序は、染色体の末端にあるテロメアと呼ばれる部分の短縮による分裂の寿命と活性酸素などによる遺伝子の破壊である。このような組織の細胞数の減少は、体細胞の分裂回数が有限なためである。体細胞に十分な栄養素を加えて培養すると、はじめは活発に増殖していくが、そのうちに分裂速度が低下して、やがて増殖は停止してしまうのである。人の体細胞は、約50回分裂すれば細胞分裂は停止するが、これが体細胞の有限分裂性なのである。

この分裂回数を記憶しておく装置がテロメアである。テロメアは、DNAたんぱく質複合体である。成熟体細胞は、分裂に伴う複製のたびにテロメアが短縮し、老化するのである。つまり、テロメアは、時間の経過に比例して短縮する時計ではなく、回数券のように細胞分裂の回数で短縮していくのである。
テロメアが短縮していけば、最後には遺伝子がなくなってしまうが、その前に、細胞分裂は停止するのである。これはP‐21という老化たんぱく質ができて、細胞分裂を停止させるためである。
しかし、生殖細胞やがん細胞は、無限に増殖する。これは、テロメラーゼという酵素が現われて、テロメアの長さを回復させるからである。

生活習慣病は、食生活、運動、喫煙などが遺伝子に作用して発病する。例えば、過剰栄養では、制限食よりも著しく短命となる。これは過剰栄養によって、体細胞の分裂回数が増して、テロメアの短縮を促し、細胞の老化が早まるためと考えられる。

つまり、適切な栄養と遺伝子損傷の防止によって、寿命の回数券の浪費を防げば、生活習慣病の予防に有効となるのである。

[図解]老化のメカニズム

肥満とエネルギー代謝調節

複雑に見える肥満の機序は、運動や栄養などの環境因子が、遺伝子に影響して起こる。また、多様な症状が発生するメタボリック・シンドロームは、脂肪組織の代謝調節作用も原因の一つである。脂肪組織からは、多数のホルモンや高血圧を促進する物質が分泌されている。肥満は、神経ホルモンから末梢組織にいたる個体の代謝制御の典型である。

例えば、脂肪組織から分泌されるホルモンの一つであるレプチンは、血液を通って視床下部の食欲中枢に作用、交感神経を緊張させて、全身の活動量を高め、食欲を制御するのである。

人体のエネルギー代謝の基本となる物質は、ATPである。つまり、筋肉の収縮から神経の活動まで、すべての生命活動のエネルギーは、ATPを分解して得られるのである。ATPは、細胞の呼吸の際に、栄養素を酸素で酸化して発生するエネルギーを利用して、ATP合成酵素という酵素によって合成されている。

運動で呼吸が高まるのは、筋肉でどんどん消費されるATPを速やかに呼吸のエネルギーで合成するためである。また、呼吸が止まれば、間もなく死に、梗塞で血管がふさがれれば、その部分の組織が死ぬのは、ATPが失われるためである。

肥満の制御に重要なのは、UCP(脱共役たんぱく質)の役割である。UCPは、身体の活動増加、低体温などの際に、交感神経からノルアドレナリンが分泌されて、β3‐アドレナリン受容体から始まる情報伝達系を経て、合成されるのである。

UCPは、単にエネルギーを消費し、熱にして痩せさせるだけではなく、細胞のDNAやたんぱく質を破壊する活性酸素の発生を低下させるのである。β3‐アドレナリン受容体やUCPの遺伝子には、多型があり、日本人は、糖尿病にかかりやすいのである。

個体の心身の活動は、老化とともに低下していくが、その重要な原因は、エネルギー代謝の低下によるものである。エネルギー代謝の基本は、ミトコンドリアの機能であるが、ミトコンドリア機能は、80歳では、胎児レベルの約15%に激減する。ミトコンドリアの機能低下は、分裂能力のない神経細胞の老化でも起こるのである。老化によるミトコンドリア機能の低下は、心身の活動を下げて、肥満の一因となるのである。

また、肥満などにより、高コレステロール血があれば、コレステロールを血清中に維持するLDLが増加し、LDLに含まれる不飽和脂質が活性酸素で酸化されると、動脈硬化の原因となるのである。

さらに、肥満は細胞の分裂回数を早め、また、活性酸素を増加させてテロメアの短縮を促しているのである。

 

 

[気になる実になる健康講座]健康な歯でおいしい食事、元気な体〜全身の健康にも影響する歯周病〜(歯の健康Part.3)

成人の約8割が歯肉に何らかの症状があると言われています。若年層にも広がり、全身の健康とも深い関わりがある「歯周病」は自覚症状があまりないので、知らぬ間に進行していることが多い病気です。

 

歯を支える組織に起きる病気

歯のエナメル質が細菌によって侵される「虫歯」に対して、歯と歯ぐきの境目で細菌が増殖し、歯肉、歯根膜、歯槽骨などの歯を支える組織が侵される病気が「歯周病」です。虫歯も歯周病もプラーク(歯垢)が原因ですが、細菌の種類と起きる場所が異なります。

歯と歯ぐきの間にプラークがたまり、歯肉を侵し始めると、歯肉に炎症が起き、腫れたり、歯磨きで出血することがあります。この状態は「歯肉炎」と呼ばれますが、プラークを取り除くことで、健康な歯に戻すことができます。

しかし、歯肉炎を進行させてしまうと、歯の周りに歯周ポケットと呼ばれる溝ができます。歯周ポケットにプラークがたまると、どんどん歯の奥に病気が進行し、歯槽骨が破壊され「歯周炎」という状態になります。さらに、歯周ポケットが深くなると歯槽骨が溶け出し、最終的には歯の根が見え、歯が抜けてしまいます。

全身の健康とつながっています

歯周病は歯だけの病気ではありません。全身の病気が歯周病の原因を作ったり、反対に、歯周病が全身に影響を与えたりします。

歯周病へのリスクを高めるのは喫煙、糖尿病、骨粗鬆症、過労、ストレスなど。最近では、歯周病菌や歯周病菌から出る毒素が歯肉から血液中に入り込んで、全身の健康に影響を及ぼすことも分かってきました。血液に歯周病菌が感染すると、血液を固まりやすくして、動脈硬化を促進させ、心臓病などを引き起こします。血糖コントロールに影響を与えるので、糖尿病になりやすいことも言えます。また、早産や低体重児の出産の危険性が高まったり、口の中の細菌が呼吸によって肺に入ると、肺炎を引き起こしたりすることも分かってきました。

歯周病を予防しよう

歯が抜けたり、健康を害する歯周病を予防するためには、様々なケアが欠かせません。

歯並びが良くなかったり、素早くブラッシングを済ませてしまう人はプラークがたまりやすいもの。歯周病の場合は特に、歯と歯ぐきのすきまを丁寧にブラッシングするように心がけましょう。

普段の生活の中では、喫煙やストレス、不規則な食生活などの、歯周病のリスクを高める習慣を避けましょう。体の抵抗力や免疫力が低下している糖尿病や心臓疾患がある人も、丁寧なブラッシングで歯周病を防ぎましょう。

もしかしたら歯周病?

虫歯のような痛みがない、気づかないうちに進行していることがあります。自分の歯をチェックしてみましょう。
歯ぐきが充血している。
歯を磨くと出血する。
口臭がある。
口の中が粘つく。
歯がムズムズする。
冷たい物を飲むとしみる。
歯肉が赤い、または黒い。
歯肉が腫れている。

 

歯周病の進行
1.歯肉炎の状態
歯ぐきから血が出る。
2.歯周ポケットができる(2〜4o)歯肉が充血し、膿が出ることもある。
3.歯周ポケットが深くなる(4〜6o)出血や膿の量が増える。口臭が強くなる。歯がグラグラし始める 4.さらに 歯周ポケットが深くなる(6o以上)歯が抜けやすくなる。

 

 

[トピックス]ふたりの異人が生誕した地「ベツレヘム」

古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。
地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。

 

エルサレムから南に8q、ユダの丘陵地の海抜760mに位置する「ベツレヘム」。夏は平均気温23度、冬は14度と温暖な地中海性気候に恵まれ、石造りの家が点々と建ち並ぶ小さな町、肥沃な土地はいちじく・ぶどう・オリーブなどの果樹園に囲まれています。

1993年のオスロ合意に従って、1995年からパレスチナ自治区に属するこの町の人口は、市とその周辺部を合わせても7万人程度ですが、歴史上の2人の偉人が生誕したことで知られ、ベツレヘムは別名「ダビデの町」と呼ばれています。

今から3000年ほど前、イスラエル王国2代目の王となるダビデは、ユダ族エッサイの8人兄弟の末息子として生を受け、羊飼いを生業としていました。

ダビデがまだ少年だった頃の話です。ある時、ダビデは物資の運搬と兄弟たちの安否を知るためにイスラエルとペリシテが対峙した戦地へと赴きました。そこでは、ペリシテ側の豪傑・巨人ゴリアテによる脅しのもとイスラエル軍の全員が萎縮し、戦況が硬直していました。ダビデは「私はイスラエルの戦陣の神、万軍の主(神)の御名によってお前に立ち向かう。」と信仰宣言をし、ゴリアテとの戦いに臨みました。武器を持っていないダビデは、石を思いっきり投げつけると、ゴリアテの額に命中し見事に倒しました。

旧約聖書に描かれている一説ですが、ダビデ王がイスラエルの国民に永く慕われている理由は、このような武勇伝だけではありません。彼は、多くの弱さと罪を露呈させながらも、絶えず砕かれた心を持って悔い改め、神の赦しと恵みを求め続けました。つまり彼の功績は、偉大な信仰心にあったのです。


生誕教会外観

そして、もうひとりの偉人。今から2000年ほど前。東方異国(アラブやペルシャという説がある)の3人のマギ(天文学や星占いに詳しい学者)が、西の空に見慣れない星が輝いているのを見付けました。そこに聖人が誕生した事を知り、その星に導かれるまま旅に出ました。そして彼らは、星を追ってあちらこちらを尋ね歩き、ベツレヘムに辿り着きました。すると、それまでマギ達を先立って進んだ星が、ある粗末な馬小屋の上で止まりました。そして小屋の中に入りマギ達が目にし、拝み、ひれ伏したみどり児…それは「イエス・キリスト」だったのです。

クリスマスの季節になるとツリーを飾る家庭も多いと思います。その時、天辺に星を装飾しますが、それがマギ達を導き輝いた「ベツレヘムの星」なのです。救世主イエス・キリストもまた、ベツレヘムで生誕したと聖書は伝えています。

現在、イエスが誕生したという馬小屋跡には、 コンスタンティヌス帝が326年に建てた聖誕教会があります。 周りを高い壁に囲まれた城を思わせる堅牢な石造りの建物で、入口は「人の扉」と呼ばれる1.2m程で、人が1人通れるくらいの小さいものです。
教会内は入口と対照的で広く、カトリック教会、ギリシャ正教、アルメニア教会の3つの祭壇があります。正面のギリシャ正教の祭壇には、各宗派が所有する銀製のランプが11本下がっていて、その真下がイエスの生まれた馬小屋があった場所です。
地下に進む階段を降りると小さな冷たい石の部屋があり、馬小屋というよりは洞穴のような感じです。床には銀の星型が埋め込まれており、「ここで処女マリアからイエス・キリストは生まれた」と刻んであります。星型の真中には穴が空いており、そこから手を入れると岩に触ることが出来、訪れた人は屈んで星型にキスをし、また聖書を声高らかに読んでいる光景を目にします。

文字通り、聖地と呼ぶにふさわしいこの町は、現在では情勢も落ち着き、観光客も増えてきて、以前のような活気を取り戻しつつあります。


聖誕教会内にある祭壇。祭壇の真下の銀の星の部分が、イエス・キリストが
生まれたとされる馬小屋があった場所を示している。

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