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健康の輪デジタル新聞

2006年4月号

[特集]メタボリックシンドロームの段階で動脈硬化を予防する

海外でも注目されているメタボリックシンドローム。昨年、メタボリックシンドローム診断基準検討委員会が日本独自の診断基準を発表。ここでは、内臓脂肪の蓄積が必須項目になっている。

メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドロームとは、動脈硬化を発症しやすい状態のこと。動脈硬化と聞くと、心筋梗塞や脳梗塞を発症し、今までは高コレステロールを思い浮かべがちだが、最近の研究では、内臓脂肪型肥満も動脈硬化を引き起こすことが分かってきている。

メタボリックシンドロームの人は、同時に肥満症、高血圧、高脂血症、糖尿病を発症していることがある。このような生活習慣病の危険因子が多いほど、動脈硬化になりやすく、心疾患などの重大な病気へのリスクも高まる。

また、動脈硬化は症状が進行しないとなかなか気づかないもの。そして、動脈硬化から循環器系の病気が発症する場合、突然、起こることが多い。 そのため、動脈硬化になる前のメタボリックシンドロームの段階で、肥満などの改善を行えば、様々な病気を予防することができるのだ。

2タイプある肥満

肥満には皮下脂肪型肥満と、内臓脂肪型肥満がある。外見で肥満だと分かりやすいのは皮下脂肪型肥満だが、内臓脂肪型肥満は見た目には分からないこともある。そこで基準となるのが、ウエスト径。腰の最もくびれている部分ではなく、おへそ周りのウエストが男性で85p以上、女性で90p以上あると、内臓脂肪型肥満が疑われる。また、この数値がメタボリックシンドロームの必須条件ともなっている。

皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満) 内蔵脂肪型肥満(リンゴ型肥満)
つきにくく消費されにくい脂肪。下半身に脂肪がつきやすい。 つきやすく、消費されやすい脂肪。生活習慣病を発症しやすい危険性があるが、消費されやすいので、生活の改善で解消できる。

 

日常生活の改善で解消できるメタボリックシンドローム

内臓脂肪型肥満の改善は直接、メタボリックシンドロームの改善につながる。予防のためにも、食事、運動、ストレスや喫煙習慣の見直しから始めてみよう。

○食事
低脂肪、低カロリー、低糖分を心がけ、バランスの良い食事に。塩分と食べ過ぎにも気をつける。

○運動
息があがるようなハードな運動は必要ないが、なるべく歩き、体を動かす習慣をつける。1日約300キロカロリーの運動エネルギー消費が健康維持につながる。目安は1日1万歩。

○嗜好品
アルコール、タバコは控え、ストレスをためない工夫をする。

メタボリックシンドロームの診断基準 [内臓脂肪蓄積]ウエスト周囲経・男性85cm以上、女性90cm以上※内臓脂肪面積が100平方cmに相当する。 上記のウエスト経に加え、次の項目から2項目が当てはまると、メタボリックシンドロームと診断されます。1.血清脂質以上、2.血圧高値、3.高血糖

※持病の状態などによって診断は異なります。正確な判断には専門医を受診しましょう。

 

[健康長寿を目指して]生活習慣病の発症は遺伝子と関係する(3)

生活習慣病の進展には、加齢の時間軸の上で、遺伝子因子と環境因子が大きく作用している。今回は本態性高血圧と遺伝子、痴呆(認知症)と遺伝子の関係について解説します。

本態性高血圧と遺伝子

本態性高血圧とは、高血圧の原因として他の疾患が考えられない高血圧で、大部分の高血圧症はこれに属するのである。 その責任遺伝子は、連鎖解析で探求されているが、まだ確定されていないのである。高血圧症は、中高年の約半数に見られるが、その候補遺伝子は、16種もあり、個人によって異なっている。

このように、遺伝子の種類が多い理由は、血圧の調節の因子が多いからである。高血圧症で内皮細胞がつくる血圧を上げる蛋白(ペプチド)である エンドセリンは、血管収縮の作用と同時に、血管平滑筋細胞の増殖を促して、動脈硬化を促進する。また、腎臓に血流が減少したときに分泌されるレニンは、分解されて血圧を上げる蛋白(ペプチド)のアンギオテンシンUを生じる。アンギオテンシンUそのものは、本態性高血圧の原因ではないが、これをつくる酵素の阻害剤は、降圧剤として広く使われている。

しかし、将来は、これらの遺伝子に対応した栄養指導や適した降圧剤が用いられるであろう。おそらく食事によって低食塩、カリウムやマグネシウムを多く摂ること、適正体重の維持、適度な運動の原則は、どの遺伝子多型の人への指導としても変わらないが、薬剤の選択や生活習慣は個人によって相違がある。

高血圧で早く老化した内皮細胞はフィブロネクチンをつくって単球を招くのである。この結果、動脈硬化が促進され、また高血圧は、硬化して脆くなった血管を破って、脳出血の原因となる他、心臓に負担をかけて、高血圧性の心不全の原因ともなるのである。

よく使われる降圧剤の働きと副作用

降圧剤の種類 働 き 一般名
(代表的な例)
副作用
カルシウム拮抗薬
(Ca拮抗薬)
血管平滑筋細胞のカルシウム流入防止による弛緩、血管拡張 ニフェジピン
アムロジピン
ベルジピン
頻尿、頭痛
便秘、動悸
ACE阻害薬 体内で生産される血圧上昇物質のアンギオテンシンの合成阻害 カプトプリル
リシノプリル
キナプリル
咳、発疹、
掻痒感
アンギオテンシンU受容体拮抗薬
(ATI拮抗薬)
昇圧物質のアンギオテンシンUの細胞内での作用の発現を抑制する ロサルタン
カンデサルタン
腎障害の悪化
交感神経
抑制薬
交感神経による血圧上昇作用を抑える α遮断薬
β遮断薬
徐脈、不眠、喘息悪化、起立性低血圧(立ちくらみ)
利尿薬 体内塩分と水分を排泄させ、血液量を減らして血圧を下げる サイアサイド系薬、ループ系利尿薬、カリウム保持性薬 電解質異常脱水症、痛風の悪化、高脂血症の悪化

※特集「高血圧のすべて」『医学のあゆみ』189巻9号、1999年より要約編集

痴呆(認知症)と遺伝子

日本人の痴呆(認知症)は、脳血管型(約50%)とアルツハイマー型(約35%)の2種類がある。神経細胞内因型は少ない。

脳血管型は、小さな梗塞が何回も起こる場合に多く、梗塞部位に応じた症状が梗塞の度に起こって、段階的に進行していく。一方、アルツハイマー型は、徐々に連続的に進行して、アミロイドβたんぱく質が不溶性の繊維状物質となり、脳に老人斑を形成しながら、神経細胞が死滅していく。いずれも、脳重量が減少し、脳空が拡大している状態をCT(断層画像)によって見ることができる。特に、海馬とその周辺が侵されると記憶の障害が著しいのである。

脳血管型の脳虚血の場合、虚血の刺激で活発化した細胞からグルタミン酸が放出され、グルタミン酸受容体から細胞にカルシウムが流入する。細胞内のカルシウム量が上がれば、死を招く酵素が活性化されて、それぞれたんぱく質、膜脂質、核DNAを分解して、細胞死に至るのである。
また、アルツハイマー型も蓄積したアミロイドβたんぱく質が細胞へのカルシウム流入を促進して、同様の死を招くと考えられている。

アルツハイマー型の痴呆であっても、単一遺伝子病のようにほとんど遺伝子変異で決まる疾患の場合は、家族性アルツハイマー病であって、アミロイドβなどの遺伝子の変異によって発病するのである。特に、アポE4の遺伝子を持っている人は、アルツハイマー型になりやすいが、全員が早く痴呆になるとは限らない。

多くの遺伝子と環境が相互作用してはじめて、アルツハイマー型が進展するのである。

遺伝子名 遺伝子多型の名称
心房性Na利尿ペプチド HPaU-RFLP
アンギオテンシノーゲン(アンギオテンシンT、Uの原料) M235T、T174M、GT repeat、A-20C、C-18T、G-6A、T-31C
アンギオテンシンU-T型受容体 A1166C
α-アデュシン Gly460Try
β2-アドレナリン受容体 Arg16Gly
グルコキナーゼ G-258A
内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS) Glu298Asp
リポたんぱくリパーゼ GT repeat
CYP11B2(シトクロムP450の一部) Arg173Lys
α2-アドレナリン受容体 DraT-RFLP
Gたんぱくβ3-サブユニット C825T
SA C79T(PstT-RFLP)
アンギオテンシン変換酵素(ACE) 挿入(T)/欠失(D)多型
グルカゴン受容体 Gly40Ser
インスリン受容体 RsaT-RFLP
グリコーゲン合成酵素 XbaT-RFLP

 

[気になる実になる健康講座]健康な歯でおいしい食事、元気な体〜いつまでも自分の歯でいられる歯のケア〜(歯の健康Part.4)

歯を無くしかねない虫歯や歯周病を予防するには、歯のケア、特に歯垢をしっかり落とすこと。ピカピカに磨けるブラッシング方法を再確認しましょう。

しっかり「歯垢を落とす」ブラッシング

食後の歯磨きは基本。しかし、何となく磨いているだけでは、ネバネバした歯垢は取り除けません。また、歯のすき間や歯と歯ぐきの間にたまりやすい歯垢は、強く磨いたり、長く磨けばいいというものでもないのです。

ポイントは、歯ブラシの毛先を磨こうとする歯の表面に直角に当て、小刻みにシャカシャカと動かすこと。歯は曲面になっているので、毛先を一方向から当てただけでは、きれいに歯垢を落とすことはできません。自分の歯の形や歯並びを良く見て、歯ブラシを縦、横、斜め、あらゆる方向から当てながら、1本、1本を丁寧に磨きましょう。

自分の磨き方を確認する意味でも、歯垢に反応して赤く染まる歯垢染色液を使って、どの部分に磨き残しがあるかチェックしてみるのも良いでしょう。

歯ブラシの選び方

一般的に、毛の硬さは「普通」で、毛先部分が小さいものが良いとされています。好みにもよりますが、毛が固いと歯ぐきに当たって痛いため、十分に磨ききれなかったり、毛が柔らかすぎると時間をかけなければ汚れが落とせなかったりします。

また、毛先が開いてしまうとしっかり磨けなかったり、歯ぐきを傷つけることがあります。およそ、1ヶ月を目安に、取り替えましょう。

今は、歯間ブラシやデンタルフロス、電動歯ブラシなどいろいろな歯磨きグッズがあるので、自分の歯に合った歯ブラシを探すのも良いでしょう。 ちなみに、歯磨き剤をつけなくても、歯垢は落とせます。1日1回、つければ充分です。

日常生活でも歯のケアを

歯垢は口の中の食べかすが大好き。特に糖分を好むので、だらだらと甘い物を食べ続けていると、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。甘い物ばかりでなく、ごぼうのような歯ごたえのある物が中心の食事にし、食事や間食の時間を決めて口の中を清潔にしておくことが大切です。

ストレスがたまると、体の抵抗力が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。睡眠などの休養は歯のためにも良いもの。糖尿病や心臓疾患のある人も抵抗力が低下し、歯周病にかかりやすくなるので気をつけましょう。

虫歯・歯周病を防ぐヅラッシング

◆磨き残しやすいところ
◆前歯の裏側はブラシのかかとを使う
◆基本は、1本の歯をあらゆる方向から磨くこと。
  正面、左わき、右わきから

 

 
イスラエル地図

[トピックス}大自然の驚異と神秘「ティムナ渓谷国立公園」

古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。
地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。

 

「エイラットの海を思わせる美しい石」。「イスラエルの青い涙」などと言われ、青緑色の濃淡が美しい石『エイラット・ストーン』。エイラット市街に立ち並ぶ商店でアクセサリーとして売られ、国外にはほとんど出回らない貴重で高価なものです。

紀元前1000年頃、ソロモン王の時代から知られていた鉱物に、クリソコーラ(珪孔雀石)という石があります。アメリカ旅行のお土産として、青い石のアクセサリーを貰ったことがある方もいるかもしれませんが、アメリカでは「心を癒す石」「先住民インディアンの石」として有名になりました。主に銅鉱床のある地域で産出され、イスラエルのネゲブ地方でも多く採取されています。

そしてイスラエルの地で、105qという大きな地殻変動により、このクリソコーラと本来混ざるはずのないマラカイトやトルコ石が見事に混合し、美しくも珍しい石、エイラット・ストーンが誕生しました。


大きく開いた穴から青空がのぞく岩のアーチ

港町エイラットより北へ25qほど行くと、広大なネゲブ砂漠の入り口に差し掛かります。そこが通称『ティムナ渓谷国立公園』と言われるところで、自然の侵食作用による奇異な岩塊が点在する不思議な景観が現われます。それを眺めながらワジ(乾燥気候地方の降雨時または雨季にのみ水が流れる谷)を進むと、砂漠の真ん中であるにもかかわらず湖が現われます。この周辺は露天掘りの銅鉱山でしたが、掘った跡の穴に人工的に水を引き、この『ティムナ湖』が造られました。

そして長い年月をかけ、自然の侵食作用で出来た奇岩が赤褐色の『ソロモンの柱』。10階建てのビル、もしくはそれ以上の高さの岩が剥き出しになっており、迫力満点の景観と言えます。神殿建設に必要な銅を確保する為に、ソロモン王が15万人の労働者を使って採掘させ、寄って集って岩を削った結果、この柱が出来たという説もあります。岩壁の裂け目に出来た少し緩やかな所から見渡せば、褐色の岩肌がどこまでも続き、白褐色の広大な砂漠が広がります。


ソロモンの柱は、大きな石柱がそびえ立つ天然の芸術品

ソロモンの柱の近くには、今から約3400年前に建造された、エジプトの鉱山の守護女神であるハトホルを祀った神殿をはじめとした、多くの石柱が散在して残っています。遺跡の中心となる神殿は、遺跡の最も奥に位置し、石柱で囲んだ中央に穴が掘られています。そして、ティムナ渓谷を更に奥深く行くと、白褐色の岩山が横たわっており、この周辺には銅の採掘抗が点在しています。採掘抗は迷路のようにそれぞれが連なり、ワジヘ導かれています。

険しい岩山を降りて、更にワジを行くと、ここにも奇異な岩塊が点在しています。中でもマッシュルームの形をした岩塊に目を引かれます。一見、人口的に造られたのかと思うぐらい不自然な形をしていますが、これも天然石で、その高さは5階建てのビルぐらい巨大で、その大きさや上部の重みで崩れないことに、大自然の驚異を感じます。

偉大な自然の神秘と迫力の景観。渓谷の小高い場所に立ち周囲を展望すると、そこではまさに、地球創世期を想像させるような大自然の姿を見渡すことができるのです。


巨大な天然石であるマッシュルームロック

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