アメリカで生まれた「ローハス」の考え方が、4年前に日本で紹介されてから、今、日本でも広がりつつある。
ブームで終わらせてはいけないこの考え方に、多くの人が気づき始めている。
ローハスとは、無理をせず、地球環境を保護し、健康な生活を最優先に考えるライフスタイルやそれを望む人々のこと。自分らしく健康に生きながら、地球と共存していくことが「ローハスな生活」と言われている。
高度成長期からバブル期にかけて行われてきた大量生産、大量消費によって、私達は便利で豊かな生活を手に入れてきた。しかし、本当の意味での豊かさは失われ、自然環境の悪化に嘆く結果を生んでしまった。
この事態を食い止めようと、企業や国は環境問題に取り組んでいる。取り組み始めた頃は「自分を犠牲にしてでも」という考えもあったが、我慢をしたり、無理をして問題に取り組んでも、長続きはしないのが現状。ローハスが広がりを見せたのは、このままでは地球環境を維持できないと気づき始めた人が多くいるという証拠。アメリカやヨーロッパではすでに、この考え方が主流になっている。
地球環境と健康に重点を置くと言われているが、難しく考えることはない。それは、健康を意識すれば、自然に地球環境にも配慮される形になるからだ。また、その逆も言える。
例えば、農薬、化学肥料を極力使わない自然食品は、体にも良いし、自然環境にも良い。近くまで出掛ける時は、排気ガスの出る車に乗らず、歩いていけば、健康にも良い。
地球や健康に関しては、持続可能であることも大切。自然食品を食べることも、運動をすることも、持続してこそ健康な体になる。健康になろうと考え、実行することで自然にローハスな生活が成立すると言える。
そして、生活習慣を乱さず、空気や水の環境が良い場所で生活することは、人間の体に備わっている免疫力や自然治癒力を発揮させることができる。そのため、予防医学・代替医療を心がけることにもつながると言われている。
ローハスな生活とは、旬の野菜や自然の力の中で育った食材を食べるなど、自然に逆らわず、便利な道具に頼り続けることのない、本来の人間の生活に戻すこと、とも考えられる。最先端の技術とバランスをとりながら、乱れる食生活や運動不足を見直す良いきっかけになってくれるだろう。
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![]() *自然食品を食べる。 *旬の野菜を食べる。 *ゴミを出さない。 *車で移動せず、歩く。 ![]() *環境に良い商品を選択する。 *電力、水、ガスを使い過ぎず、無駄な二酸化炭素を排出しない。 *自己啓発のために文化を学んだり、人とコミュニケーションをとる。 |
インスリンが身体で働けない感受性の低下が原因であるインスリン抵抗性。糖尿病と高血圧が併存する場合、動脈硬化の進行が加速的である。糖尿病者における高血圧の頻度は、日本の成績においても非糖尿病者に比べ、約2倍高いことが知られている。
糖尿病における高血圧は、3つの状況が考えられる。一つは、本来の高血圧である「本態性高血圧」の合併であり、次に糖尿病による動脈硬化を介して上の血圧が高くなる「収縮期高血圧」、そして糖尿病性腎症によって腎機能が低下する「腎性高血圧」である。
このうち、動脈硬化によるものや腎機能低下による高血圧は、いずれも糖尿病の末期に生じるものである。糖尿病における高血圧の頻度は、軽度の糖尿病でもすでに高いのである。
糖尿病でも高血圧が多いことのみならず、高血圧患者においても糖尿病の頻度は2〜3倍高いことが判明している。
すなわち、二型糖尿病と高血圧は、インスリン抵抗性の状態を共通の背景因子にしているのである。
本態性高血圧では、高血糖と同時に高インスリン血症が存在することから、耐糖能異常は、インスリン分泌の低下によるものではなく、インスリン感受性の低下が関連している可能性が出て来たのである。インスリン感受性低下(インスリン抵抗性)とは、「身体の中で、インスリンの作用が低下し、十分に働くことのできない状態」である。
高血圧症の患者に認められるインスリン感受性低下は、高血圧発症前に既に認められ、おそらくは遺伝的にインスリン感受性の低下が存在すると考えられている。その機序としては、腎臓でナトリウムを貯留して、体液量を増すこと、交感神経を刺激して血管を収縮させることなどが考えられている。
目標とする血圧値を低く設定することが、より大きな治療効果をもたらすと考えられている。130/85oHg以上の正常高値血圧から治療対象となり、130/85oHg未満の正常血圧が降圧の目標となる。
血圧が130/85oHg以上の場合には、減量や運動療法などの生活習慣の改善が必要であり、正常血圧(130〜139/85〜89oHg)で、130/85oHg未満に下がらない場合には、薬物療法が追加される。140/90oHg以上の高血圧では、生活習慣の改善と同時に降圧療法を開始する。
高血圧を合併した糖尿病患者における減量や運動療法などのほか、食事・栄養療法では、インスリン感受性の改善を介した耐糖能改善とともに、血圧の低下が期待される。
良い睡眠は体をつくります。「眠り」そのものについて知ることができれば、もっと効率よく、すっきりと睡眠をとることができるでしょう。
そこで、今回は「眠り」にまつわる様々な情報を紹介します。
昼に活動した体は、夜、休息するために眠りを誘います。一見、筋肉を休め、脳も眠っているように感じられますが、睡眠の時間こそ、健康な体と脳を発達させる時間とも言えるのです。
脳はエネルギーを大量に消費します。そのため、睡眠をとることで、脳を回復させ、脳を作り、脳を守ったり修復させたりして、次の朝、再び、元気に活動ができるのです。
また、睡眠はストレスの原因になる有害な情報を消去することもできます。嫌なことがあっても、一晩眠ったらすっきりすることができるのは、このためです。
睡眠時には成長ホルモンの分泌も行われます。脳の視床下部で作られた成長ホルモンは、体の臓器や組織に働きかけます。その結果、骨の成長を促したり、たんぱく質を生成して筋肉が作られたりします。「寝る子は育つ」と言いますが、実際に、寝ている間に脳や体は作られているのです。
お昼ご飯を食べた後の昼下がり、つい、うとうとしてしまうことがあります。これも体のリズムによるもので、怠け癖がついているわけではありません。
実は、昼食を食べたかどうかに関係なく、体は午後に、一時的な眠気が来る仕組みになっています。そして、お昼ご飯を食べて満腹感を感じると、消化を良くしようと、さらに眠気のサインが脳に伝わるのです。
午後の眠気は判断ミスや仕事の進み具合を遅らせます。午後に眠気を感じたら、我慢して起きているより、ほんの少し昼寝をして眠気を解消した方が、仕事の効率は上がります。昼寝を推奨している企業もあるほどです。
ただし、昼寝は10〜15分程度に。深い眠りに入ってしまう前に、起きることがポイント。長時間寝てしまうと、かえって眠気が続いたり、夜の就寝に影響が出ます。
光は「眠り」にとって重要な存在です。活動と休養の神経、交感神経と副交感神経は体内時計のリズムによって働いていますが、体内時計は、25時間周期。朝、時間通りに起きられないのはこの体内時計が関係するからです。
そこで、1日、24時間周期のリズムにするためには、朝に、太陽の光を浴びて体内時計をリセットすることです。光を体に感じさせることで、活動時間だということを脳に知らせます。
また、光は様々な「眠り」に関する悩みを解消することができます。時差ぼけの克服には、昼間に太陽の光を十分に浴びること。寝室は暗くしておくこと。不眠症の人が多くなってきた理由に、深夜でも明るい光が目に飛び込んでくることも挙げられています。夜、眠気を誘うためには、周囲を暗くすることも大切なのです。
そして、朝、起きたら光をたくさん浴びること。外で深呼吸をしてから一日を始めるのも良いでしょう。また、朝食を食べて体温をあげることも大切。規則正しい生活が体を目覚めさせ、朝、すっきりと起きることができるのです。
午後の活動を効率良くするための![]() |
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○午後に眠気を感じたら、昼寝をすれば、その後の仕事がはかどる。 |
○昼寝の時間は10〜15分。高齢者でも30分以内に。 |
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古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。
地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。
商都テルアビブの北約50qにある『カイザリア』。紀元前22年頃、イスラエルを支配し建築狂としても有名なヘロデ大王が築いた港町です。ローマ皇帝カイザルの名にちなみ名付けられ、またイエスの使徒パウロがローマへ宣教に旅立った港でもあります。この地は近年、地中海リゾートとして開発が進められていますが、一方では遺跡群として「マサダの要塞」と並ぶ観光名所にもなっています。
十字軍時代の要塞の入口
その幾つかの名所の中でも有名な「導水橋」は、ローマ時代に造られた世界最長のもので、20q以上も北のカルメル山から直径17pの陶器製の管を3本引き、「水の道」として農業用と飲用の水を運んでいました。2000年前にもかかわらず、海岸沿いに美しいアーチの芸術として、大規模な土木工事が出来た事にローマ帝国の底力が感じられます。
そして、もうひとつ有名な場所がローマのコロシアムを彷彿とさせる『円形劇場』です。現在でも世界中のアーティストのコンサートや、イスラエル・フィルの演奏が行われるほど保存状態も良く、美しい地中海をバックにした劇場で音楽を聴くというのは、とてもロマンチックな感じがします。
この劇場は、観客席が海側を向いているところに特徴があり、地中海からの風が観客席に向かって吹き上げ、音響効果を助けているのです。実際に舞台前に立ち小さな声を出してみると、その声は海の風に乗り、舞台から一番遠い客席にまでよく届きます。マイクなどが無かった当時の人々の知恵なのでしょう。
地中海に面した円形劇場(上空より)
最近のニュースとして、大関・琴欧州ら佐渡ヶ嶽部屋(元関脇・琴ノ若、現・佐渡ヶ嶽親方)一行がイスラエルを訪問し、日本の国技である『相撲』を同国で初めて、この円形劇場で披露しました。
また近年、発掘が進む中で公開されたヘロデ宮殿。大理石の破片が数多く残っていることから、この宮殿の全てが大理石で造られていたという説があります。大理石は、イスラエルで採石されないためローマなどから輸入していたと考えられ、とても高価な石材です。それを惜しみなく使用したことからも、ヘロデ宮殿の壮麗さを想像する事が出来ます。
そして宮殿のすぐ隣りには、波打ち際に造られた闘技場があります。今では3分の1以上が波で削られていますが、観客席やトラックの一部は、まだ当時を思わせ残っています。ここも最近発掘が進んだところで、映画『ベンハー』に出てきた戦車競技が、ここで行われていたのかもしれません。観客の歓声が聞こえてきそうなリアルな景観です。
地中海の澄み渡る『青』と『白い』砂浜、そして幾重にも時代の跡が積み重なった遺跡群とが驚くほど調和し、その美しさに思わずその場に佇んでしまうことでしょう。