体内に貯まった有害物質は栄養の吸収の妨げになる。
有害物質を排出し、体の中からきれいになる生活を目指そう。
妊娠または妊娠の可能性がある人はメカジキやキンメダイなどの魚介類の食べ方に、厚生労働省から注意が呼びかけられている。魚は体に良い栄養素が含まれていて、とても良い食材だが、水銀が含まれている濃度が高い一部の魚介類は、人間の健康、特に胎児に影響を及ぼす可能性があるので、食べ過ぎに注意が促されている。
このように、私達は知らないうちに重金属や余分なミネラル、老廃物を体内に溜めている。これらの物質は、必要な栄養素の吸収を阻害したり、毒素となって体に影響を与える場合があるため、改善した方が良い。
体内に溜まった有害物質を体外に排出すると、効率良く栄養を吸収することができ、体内が浄化されるため、体の調子が整うようになる。
まず、代謝機能が高まる。脂肪が燃焼しやすくなるため、アメリカでは、ダイエット前の準備として、体内浄化が勧められている。
加齢とともに減少していく肌の潤いの元、ヒアルロン酸は、水銀が溜まっていると生成されにくくなるため、体内浄化で肌の老化を防止することができる。
さらに、腸内がきれいになるため、免疫力を高めたり、必須ミネラルの吸収を高めることができる。このように、様々な影響が現れるため、生活習慣病の予防にもなるとも言われている。
体内を浄化すると・・・ | ||
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腸内がきれいになる | 代謝機能を高める | 体調が良くなる |
水道水、排気ガス、農薬などによって溜まった有害物質、 食べ物から摂取した余分なミネラルを排出、 体内浄化すると、体調が整う。 |
もともと、私達には排尿や排便など、有害物質を排出する機能が備わっている。しかし、ストレスなどにより便秘になりやすい体になっていると、便が腸内に溜まる時間が長くなり、有害物質が排出されにくくなってしまう。
そのため、便秘を解消すること、運動や入浴などで汗を流すこと、血液・リンパ液の流れを促すことが、体内浄化につながる。
また、体内を浄化する作用のある食べ物やサプリメントも有効。いつも、有害物質や毒素のない体でいることが、健康への道を導いてくれるだろう。
健康的な社会生活を営む上で、自己の健康管理は大切な問題です。
増加の一途にある生活習慣病の予防のため、まずは生活習慣病の知識を身に付けて、早めの対策が必要です。
生活習慣病が、過食、運動不足、喫煙などによって発症しやすいという疫学データは数々報告されている。これらの病気が、なぜ発症に結びつくかという機構は、生化学や分子生物学によって解明される。21世紀は、バイオの時代といわれ、特に医療面では、遺伝子医療を中核として、予防から診断、創薬、治療にいたる広範な分野での飛躍が予想されている。例えば、従来は高額な手術を要した胃潰瘍の治療は、H2ブロッカーの導入で医療費が激減し、患者さんの生活の質(QOL)も向上したのである。
生活習慣病を克服するのは、遺伝子医療を含む高度の医療技術と一次予防である。
同じような生活をしていても、糖尿病や動脈硬化症にかかる人とかからない人がいるのは何故であろうか。過去には「体質」という曖昧な用語で言われた遺伝素因の本体が、近年になって次第に解明されてきた。
環境因子、例えば、生活習慣によって各遺伝子の機能がどのように現れ、疾患を起こすかという機序の解明である。
人の体には、10万個の遺伝子があり、その一つ一つが生命の反応や構造を担うたんぱく質などをつくる情報である。一つの遺伝子には、『塩基』と呼ばれるA、G、C、Tの4種の基本物質が並び、その結び方で無数の情報を決定しているのである。そして、この遺伝情報は、体の中で複製され、全細胞で維持されていると共に、生殖細胞を通して子孫に伝達されるのである。人の全DNAは、30億個の塩基が並んでできているのである。
集団の中での個人間の同一の遺伝子の中のわずかな相違を『多型』という。特に、同じたんぱく質をつくる一つの遺伝子の中でも、わずかに一塩基の違いで起こる多型は、遺伝子一塩基多型といい、最も普通の多型の様式である。そして、このわずかな相違が長期間に生活習慣病の罹患率や重症化の相違を生むと考えられているのである。
人間の体内には、父側と母側に由来する2個の遺伝子がある。例えば、お酒に強い人は、アルデヒド脱水素酸素のALDH2・1型遺伝子2個を持ち、お酒の弱い人は、ALDH2・2型遺伝子2個を持っている。このように、一対の特定遺伝子の2個とも同じ人を『ホモ型』という。一方、お酒に対して中間の強さの人は、両遺伝子を一個ずつ持つわけである。このような場合を『ヘテロ型』というのである。
従来、遺伝子病と呼ばれた疾患の中で、病気の原因となる遺伝子とその変異した部位について解明されたものは、単一の遺伝子の変化によるものが大部分であった。単一の遺伝子の変化でもほぼ完全に発病するので、その遺伝子は『責任遺伝子』と呼ばれているのである。
しかし、生活習慣病は、一個の遺伝子の変異で発病する場合はなく、多くの遺伝子が関与するので、多因子遺伝子病と呼ばれるのである。
日本人の遺伝子多型は、糖尿病には特に罹患しやすく、そして肥満を起こしやすいのである。これは、日本人の人口の3分の1を占めるのである。
遺伝子病 | 疾患の頻度 | 疾患への影響度 |
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単一遺伝子病 | まれ | ・発病する確率が高い ・生まれてからすぐ発病する確率が高い |
多因子遺伝子病 (生活習慣病) |
高い | ・発病する確率が低い (生活習慣に気を付ければ発病はしにくい) |
生活習慣の中で問題となる喫煙と飲酒を例に挙げよう。
喫煙では、扁平上皮がんと呼ばれる肺がんが生じやすいが、その頻度は、個人の遺伝子多型で大いに異なるのである。すなわち、喫煙していても肺がんにかかりにくい人もいるのである。実際には、喫煙量の多い人では、少ない人に比べて、20倍も扁平上皮がんにかかりやすいのであるが、必ず発症するわけではなく、特定の数個の遺伝子の組み合わせのある人で、しかも生活習慣によってはじめて発症するのである。扁平上皮がんを起こしやすい危険な組み合わせは、日本人では5%程度とされている。従って、禁煙によってこれをさらに減少させる事もできるのである。
飲酒の個体差はよく知られている。生涯一升酒で元気な人もいる一方で、少しのお酒で酔う人も大勢いる。特に、アルコールが分解される途中でできるアセトアルデヒドは、酔漢の臭いのもとで、有害であり、急性アルコール中毒の原因になる。この物質を分解するアルデヒド脱水素酸素が、ALDH2・1型のホモ型の人はお酒に強いのである。
ちなみに、お酒の弱いALDH2・2型のホモ型の人は、日本人の7%を占め、中程度にしか分解できないヘテロ型の人は38%である。この分布をみると、お酒の強い人の割合は、秋田県が第1位、岩手県、鹿児島県がこれに続くのである。多型の最も少ないのは、三重県が第1位で、愛知県がこれに次ぐのであり、お酒の弱い人が多い県である。
お酒に弱い人は、急性アルコール中毒にかかりやすい。一方、1日に日本酒を5合以上飲酒する大量飲酒者は、220万人もいるが、アルコール依存症やアルコールによる肝障害になりやすいのである。お酒の飲み過ぎは、検診の際に、γーGTPが高くなるのでわかるが、長期間の飲酒に伴ういろいろな病気は、食事の偏りによる栄養のアンバランスが原因となる事が多いのである。
歯を失う原因の一つ、虫歯。
虫歯になりやすい歯を持つ子ども達に多いのは事実ですが、大人の虫歯も多いのです。
甘い物を食べたり、歯を磨かないと虫歯になるのは良く言われること。虫歯になるきっかけは、このような口の中の状態。虫歯菌が増殖し、口の中が酸性になると、歯が溶け出していきます。
食べカスなどによって作られる歯垢(プラーク)が歯にできると、虫歯菌(ミュータンス菌)は歯垢のねばねばにひっかかり、取れなくなります。 そこへ、糖分が加わると、虫歯菌は糖分を取り込んで酸を出します。通常、口の中は中性に保たれていますが、口の中が酸性に傾くと、「脱灰」と言って、歯の表面からカルシウムやリン酸などが溶け出してしまうのです。脱灰後は、だ液によって、再石灰化が起こり、溶けた歯を元に戻すことができます。
ところが、間食をしたり、食事後に歯を磨かないでいると、再石灰化よりも脱灰が多く行われ、歯はどんどん溶け出し、虫歯になります。食べ物のカスが貯まりやすい奥歯や歯のすき間は虫歯になりやすい場所です。
乳歯や永久歯が生え始めた数年間は柔らかい歯のため、虫歯になりやすいもの。大人になってからは、治療済みの詰め物の周囲が虫歯になったり、歯周病などで歯肉がやせて、歯の根の部分が出てしまう「根面う触」があります。また、歯にすき間ができやすいため、歯と歯の間も虫歯になりやすいのが大人の歯です。
残念ながら、歯は放っておいて治るものではありません。ひどくなると、歯に穴が開き、歯根しか残らなくなることもあります。
ただし、エナメル質が溶け出したごく初期の段階なら「フッ素」を使い、歯から溶け出したカルシウムなどを元に戻すことができます。
しかし、歯を大切にするなら、日頃のケアが重要。大人だからと気をゆるめず、虫歯を早期発見、早期治療し、いつまでも自分の歯で噛める生活を送りたいものです。
C0 歯の表面のエナメル質からカルシウムが溶け出している状態。 痛みの自覚はない。 |
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C1 エナメル質が虫歯になり、黄色っぽくなる。 痛みはない。 |
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C2 虫歯が象牙質に達した状態。 冷たい物や甘い物がしみる。 |
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C3 歯髄に達した状態。 大きく穴が開き、ズキズキと痛む。 |
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C4 根まで達した状態。 感染が起こり、根の先に膿ができたり、歯肉が腫れたりする。歯髄が完全に侵されていると、痛みを感じない。ひどいと、歯が抜けることもある。 |
古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。
地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルをご紹介します。
イスラエルの歴史において象徴的な古の場所『マサダ』。イスラエル東部・エルサレムの南東約48q、死海から西に約4qに位置する、荒野にそびえ立つ標高約430mの険しい岩山です。このマサダが舞台となった旧約聖書の「マサダの戦い」は有名で、ユダヤの人々は、この悲劇を後世に語り継ぎ、決して忘れることはありません。
悲しい歴史を物語る遺跡
紀元前120年頃、ハスモン家の王が、その自然の地形を利用して要塞を築き、その数十年後、ヘロデ大王が巨大な貯水槽(4万t)、食糧庫を備えた難攻不落の要塞と宮殿に仕上げました。その貯蓄量は数百人が3年間住み続けても底を突く事がないほどだと言われています。
かつてマサダの台地に建てられていた宮殿
紀元70年頃、古代ローマ帝国の圧政に苦しむユダヤ人が、決起して反乱を起こしました。エルサレムの神殿がローマ軍によって破壊され、その時に生き残ったベン・ヤイル率いる967人の反乱軍は、このマサダの要塞に籠城し、3年間にわたって、最後まで諦めることなく戦い続けました。
当初ローマ軍は、食糧や水が無くなり、すぐに降参すると考えていましたが、その粘り強い抵抗に業を煮やし、先の戦いで捕虜としたユダヤ人に巨大な傾斜路を築かせ攻撃を仕掛けようと企てました。この傾斜路を造るのに約7ヶ月、その間ベン・ヤイル達は、刻一刻と自分達の命の危険が迫っているのに、強制労働をさせられ苦しみに耐える同胞に向かって、矢を射ることがどうしても出来ませんでした。そして、ついに悲劇が起きました。
ベン・ヤイル達は、ローマ軍の報復と奴隷になることに強く抵抗し、敵の手に落ちた時の恥辱と苦しみを想起しながら互いに死を鼓舞し合いました。しかし、自分の愛する妻や子供に手を掛けることが出来ず、また自決は神の御前に罪であるという教えから、仲間の中から10人を選出し、他者を全員殺害するという役目を与えました。そして残った10人でクジを引き、当たった者が他の9人を殺害。そして、この役目を果たした最後の1人は、王宮に火を放ち自害―。
最強と謳われた古代ローマ帝国が、陥落させるのに約3年の歳月を費やしたのです。
現在、イスラエルは国民皆兵制で、男女共18歳から女子1年半、男子3年間の兵役に就きます。新入兵士は、頂上に続くつづらおりの細い道(蛇の道)を登り、悲劇を繰り返さない事への確認と、イスラエル国民としての団結・忠誠を誓う入隊式をマサダの頂上で行います。
「マサダは2度と陥落せず」。不屈の精神と愛国心を誇りに語り継がれてきた言葉。聖書には、イスラエルが戦いに勝利した場所はたくさん記されていますが、マサダは決して勝利を象徴するものではありません。それはユダヤの人々の団結であり、家族愛です。そこにマサダが今に語り継がれる所以があるのです。
高速ロープウェイで山頂へ