アレルギー性鼻炎は、原因物質によって、通年性のものと季節性のものに分けられる。この時期、気になるのは、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)だ。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが三大症状のアレルギー性鼻炎。原因はいくつかあり、ダニ、家の中の塵(室内塵、ハウスダスト)が原因になる通年性アレルギーは、一年中、症状があり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などを合併することもある。
スギ、カモガヤ、ブタクサ、シラカバなどの花粉が原因になると、季節性アレルギー性鼻炎と言い、花粉の飛ぶ季節にだけ症状が出る。
目の症状、のどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることもあり、春になってつらい思いをする人も多いのでは。
ある物質(ダニや花粉)を体が受け入れられない人の鼻に、抗原(ある物質)が入ると、くしゃみで追い出し、鼻水で洗い流し、鼻づまりで中に入りにくくしようとする。
これは、抗原が鼻に入ると、体が抗体(IgE抗体)をつくり、鼻の粘膜の肥満細胞というアレルギーを起こす細胞に付着し「感作」し、「発症」(症状を発現する)が起こるため。
感作されるかどうかは、体質によって決まるが、スギやダニでは約50%の人が感作され、患者の内的因子(遺伝的要因)や外的因子(大気汚染や花粉飛散量など)などによって、感作された人の約50%が発症する。
実は、完全に治すことがなかなか難しいアレルギー性鼻炎。長い付き合いになることが多いため、自分の病気をよく知り、納得のいく治療が必要になる。
●主な治療法
(1)抗原の除去と回避…抗原が鼻に入る量を減らす。
(2)薬物療法…症状の強さ、体質などによって処方される。
(3)特異的免疫療法(減感療法) …症状が強い人が治療をすすめられる。
(4)手術療法 …鼻づまりが強い人が基本。
このような治療法があるが、医師と二人三脚で治療していくことになる。
抗原の除去と回避 |
---|
◎室内のダニの除去 こまめな掃除とダニを生息させないための工夫が必要。部屋の湿度は50%以下、室温は20〜25度に保つようにする。 |
◎スギ花粉の回避 花粉情報をチェックし、飛散の多い時は、外出を控えたり、窓や戸を閉めたり、マスクやメガネの着用をして、鼻への侵入を減らす。帰宅後は洗顔、うがい、鼻をかむ。 |
◎ペット抗原の減量 特にネコには注意する。屋外で飼ったり、飼育環境を清潔に保ったり、床はフローリング、風通しを良くし、掃除を励行する。 |
薬 物 療 法 |
症状を抑える薬、抗体をつくりにくくする薬などがある。 |
特異的免疫療法 |
原因となっている抗原を少しずつ増やしながら注射し、抗原に対する反応を弱めていく。アレルギーが治る可能性もある。2〜3年かけながら、症状の強い人で通院が可能である場合に行われるが、ショックなどの副作用がごくまれにあるため、注意深く観察しながら行う。 |
手 術 療 法 |
鼻づまりの症状が強い人に、鼻の粘膜を切除して小さくする方法。最近は、レーザー手術も行われている。くしゃみ、鼻水にも適応が広がったが、再発することもある。また、鼻水を分泌する腺を刺激して鼻水を止める手術もある。 |
参考文献/「アレルギー性鼻炎ガイド」厚生労働省21世紀型医療開拓推進研究事業(EBM分野)
アレルギー性鼻炎ガイドライン班
鼻アレルギーとは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状を発作的に繰り返すアレルギー性疾患のひとつです。環境や食生活の変化が大きく影響しているともいわれ、近年、特に患者が増えています。
鼻アレルギーは、鼻粘膜に起こるアレルギー反応です。くしゃみ、鼻水、鼻づまりが急に起こり、繰り返し続くというのが特徴的な症状です。特に鼻アレルギーの場合には、鼻汁が水のように透明な状態であることが特徴です。
ただし、子供の鼻アレルギーの場合には、くしゃみと鼻水はあまり見られず、鼻づまりだけを訴えることが多いのが特徴です。これは、鼻粘膜のむくみの症状です。大人と子供では、症状が違うことがあります。子供は常に鼻の中がむずがゆいため、鼻をこする癖があり、こうした癖で気が付くことがあります。また、むずがゆいために、頻繁に鼻に指を入れるので、粘膜が傷つきやすくなり、鼻血の原因にもなります。
以前は、子供には花粉症はないと言われていましたが、最近では、子供の花粉症も少しずつ多くなってきています。従って、症状がほぼ一年中みられる場合(通年性)は、ダニやハウスダストが原因で、季節によって発症する場合(季節性)は、花粉が原因となります。
原因となる花粉はいろいろあります。中でも多いのは、スギ・ヒノキ・カモガヤ・ヨモギ・ブタクサなどです。スギの花粉症が最も多いと言われていますが、最近、特に多くなっているのが、ヒノキの花粉によるものです。
ヒノキの花粉の飛散は、ちょうどスギ花粉の時期が終わった頃から始まります。症状は、鼻・のどなどの上気道と目に現われます。花粉症の原因となりやすい植物の花粉の大きさは、ブタクサは約20μm、スギは約30μm、イネは約45μmですから、ほとんどの場合、気管から気管支などの下気道までは吸い込まれません。鼻粘膜に付着して、鼻アレルギーの症状にとどまるのです。
家庭では、アレルゲンをできる限り除去することが第一の対策となります。子供の場合には、ぬいぐるみが思わぬアレルゲンの宝庫となりますが、花粉の場合には、花粉の飛び散る季節には外出を控え、マスクをして花粉をなるべく吸い込まないような工夫をします。
しかし、喘息の子供には良いと言われる水泳は、プールに入れる消毒薬が鼻粘膜を刺激するため、鼻アレルギーについていえば良くありません。
よく知られているのが、ミツバチが摂取した樹液や花粉を、自らの唾液などと混ぜ合わせて作るプロポリスがあります。フラボノイドをはじめ、抗アレルギー作用を持つ成分が含有されているのです。
一方、EPA(エイコサペンタエン酸)は、血小板を凝集させる物質の生成を抑えて、血液をサラサラにする作用が知られていますが、近年では、アトピー性皮膚炎・花粉症・喘息などのアレルギー症状や、慢性気管支炎をはじめとする炎症性疾患に有効であることが報告されています。
しかし、この成分は体内で酸化されやすいので、β‐カロチンやビタミンC・ビタミンE群を豊富に含む食品を組み合わせれば、より効果的です。
体の全ての組織を一周し、老廃物を集める血液。血液検査の結果は、健康状態の指標になり、生活習慣病のチェックにも利用できます。詳しい判断は医師に委ねるとして、まずは、結果表を見て、どんな成分からどんなことが分かるか知っておくと便利でしょう。
心臓から流れ出した血液は、体の隅々を流れ、再び心臓に戻ってきます。行きは、各組織に酸素や栄養を運び、帰りは様々な老廃物を持ち帰り、肺に到達します。血液検査は血液の帰り道である静脈の血液を採取するので、成分を調べれば、どこの組織の老廃物が多いのか、どこで異常が起きているのか、体の状態を知ることができます。実は、検査項目は全部で数百種類ありますが、一般的には、赤血球、白血球、血小板の数を調べる「血球検査」と血液の血しょう成分に含まれる酵素や蛋白の量を調べる「生化学検査」があります。
血液検査の結果は、一つだけ見ても、あまり意味を持たず、複数項目を見比べて診断します。
また、ある人にとっては正常値であっても、それが異常値である場合もあるので、個人的な判断は危険です。しかし、成分の値がおよそ、どのような機能に反応するのか知っておくと、健康状態を把握でき、生活習慣病の予防にも役立てることができます
一般血液検査 | 酸素を運ぶ役割をする「赤血球」、体内に入った細菌を無害にする「白血球」、けがをしたときに出血を抑える「血小板」の数を調べます。 その他、MCV、MCH、MCHCの結果がある場合は貧血の種類が分かります。 |
---|---|
脂質系 | 高脂血症の診断をします。「HDL(善玉)コレステロール」、「LDL(悪玉)コレステロール」、およそ、両方を合わせたものが「総コレステロール」です。総コレステロールが高く、HDLコレステロールが低い場合は、心筋梗塞や脳血栓症などの疾患にかかりやすくなります。「中性脂肪」はコレステロールと同じく、体の中にある脂質の一つ。血液中でエネルギーを運んだり、組織を保つために働きます。 |
腎機能系 | 体内の老廃物をろ過する腎臓。機能が低下すると、血液の中に老廃物が残ります。「クレアチニン」は筋肉を動かすエネルギーの老廃物、「尿素窒素」は蛋白質がエネルギーとして使われたときに出る老廃物、「尿酸」はDNAなどの細胞の核の老廃物です。 |
肝機能系 | 肝臓のひとつひとつの細胞に含まれている物質が、血液中にどれだけ流れているか調べます。「総蛋白」は肝臓や腎臓に障害が起きると異常値を示します。「総ビリルビン」が高値になると、黄疸がみられるため、黄疸性疾患の識別をします。「AST」「ALT」は肝臓に多く含まれる酵素。肝臓に炎症があると、血液中に流れます。 |
胆道・ 膵臓機能系 |
蛋白質を分解する酵素の「γ−GTP」は胆道だけでなく、肝臓、腎臓にも存在し、アルコールに反応します。膵臓から分泌される「血清アミラーゼ」は、膵臓の細胞が破壊されると、血液中に流れます。 |
感染症系 | B型肝炎ウイルスを覆っている「HBs抗原」、C型肝炎ウイルスに対する抗体「HCV抗体」を調べます。C型肝炎に感染したことがあるとHCV抗体が陽性になります。 |
代謝系 | 「血糖」はインスリンが不足したり、機能が低下すると高値になります。 |
免疫系 | 「CRP」は急性でできる蛋白質の量を検査し、感染症や炎症性の疾患の指標になります。関節リウマチでは高い頻度で陽性になる「リウマトイド因子」は、断定的な検査ではなく、指針として使われます。 |
検査項目 | 基準値 | 値の見方 | |
---|---|---|---|
肝 機 能 系 |
総蛋白 (TP) | 6.5〜8.0 g/dl | 高値で膠原病、骨髄腫。 偏った食事をしていたり高齢者は低値になる。 |
総ビリルビン | 0.2〜1.1 mg/dl | 黄疸の程度を示す。 | |
AST(GOT) | 8〜40IU/l | 一般的にALTの方が高いが、ASTが高くなると、 アルコール性肝炎や肝硬変、心臓疾患が疑われる。 | |
ALT(GPT) | 5〜35IU/l | ||
胆 道 ・ 膵 臓 機 能 系 |
γ-GTP | 〜80IU/l | 高値で脂肪肝、 アルコール性疾患。 |
血清 アミラーゼ | 40〜120 IU/l | 高値で急性膵炎、 腎不全、腎障害。 低値で慢性膵炎の末期、膵がんの末期。 肥満は高めになる。 | |
感 染 症 系 |
HBs抗原 | (−) | (+)はB型肝炎ウイルスに感染。 |
HCV抗体 | (−) | (+)はC型肝炎ウイルスに感染。 | |
代 謝 系 |
血 糖 | 〜110 mg/dl | 高値は糖尿病、 低値はアルコール性低血糖の疑い。 |
免 疫 系 |
CRP | (−) または 〜0.3mg/dl | 高値になると、感染症、 膠原病などが考えられる。 |
リウマトイド因子 | (−) | (+)で、 慢性関節リウマチなどの 膠原病などが分かる。 |
検査項目 | 基準値 | 値の見方 | |
---|---|---|---|
一 般 血 液 検 査 |
白血球数 | 4.50〜8.50 103/μl |
体内で炎症が起きると高値に。 激増すると白血病。 低下すると、免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなる。 |
赤血球数 | 4.10
〜5.50 106/μl |
減少すると貧血、高値になると心臓に負担がかかる。 | |
ヘモグロビン | 13.5〜16.5g/dl | ||
ヘマトクリット | 40〜50% | ||
血小板 | 11〜34 X104/mm3 | 急激な減少は 再生不良性貧血、 白血病などが 考えられる。 骨髄機能の低下、 肝硬変でも減少する。 | |
脂 質 系 |
総コレステロール | 〜220mg/dl | 高値は生活習慣病を引き起こす。 低いと、肝硬変、 甲状腺機能亢進症の 可能性。 |
HDLコレステロール | 40〜mg/dl | 低いと、心筋梗塞や 脳血栓症にかかりやすくなる。 | |
中性脂肪 (TG) | 35〜150 mg/dl | 増えると、生活習慣病の元になり、 糖尿病、動脈硬化を引き起こす。 | |
腎 機 能 系 |
尿素窒素(BUN) | 8〜23 mg/dl | 高値は腎不全、糖尿病、感染症の疑い。 低値は肝臓に異常がある場合もある。 |
尿 酸 (UA) | 男2.9〜7.2mg/dl 女2.3〜504mg/dl |
高値は痛風の原因に。 数値が低いと、 アルコール性肝炎の疑い。 | |
クレアチニン | 男0.8〜1.2mg/dl 女0.6〜0.9mg/dl |
腎機能障害の指標として使われる。 |
古の聖書の時代から、歴史に名を刻むイスラエル。地中海の南東沿岸域に位置する小さな国です。
ユダヤの人々は、2000年に及ぶ離散、そして戦いの連続を、民族の固い絆で乗り越え、父祖の地イスラエルへの帰還を果たし、悲願であった建国を実現しました。
古代と現代が調和した、異文化の魅力にあふれた国、イスラエルについて、あまり知られていない側面も含め、ご紹介します。
イスラエルの最南端に位置し、世界一美しいと詠われる紅海に面する町「エイラット」。東にヨルダン、西にエジプト、対岸にはサウジアラビアが望め、それぞれの大地が見渡せる国境の町でもあります。
燦燦と輝く太陽の恵みを思う存分受け、また砂漠からは心地良い熱風が吹くことから、常に暖かく過ごしやすい地です。年間降水量も約25oと少なく、冬でも気温が高いため、紅海の水温は20℃を下回ることがありません。その為、さまざまな色や形をした美しい珊瑚礁が育ち、また透明度の高い海は、熱帯魚をはじめとする海洋生物の宝庫となっています。
この町は、リゾート地としても有名で、ヨーロッパ各地から定期的にチャーター機が飛んでくるほどの人気を博しています。
また、アカバ湾に面した一角には、豪華な高級リゾートホテルが立ち並び、国際リゾート地として世界中にその名は知られています。
近代的なリゾートホテルが立ち並ぶ市内
美しい青く輝く海では、カラフルな帆を立てたヨットが、青い水面を軽快に滑っていく光景が目に入り、世界有数の珊瑚礁には、世界中のダイバー達が酔いしれます。目の前まで寄ってくる色彩鮮やかな熱帯魚たちの美しさは、思わず日常を忘れてしまうぐらい幻想的です。
また、海中展望塔や海底水族館、黄色い潜水艦「イエローサブマリン」での水深60mの海中散歩も、他では味わえない楽しみでしょう。
海底散歩が楽しめる海底水族館
更に免税都市として物価が安いこともあり、思う存分ショッピングが楽しめます。品質が折り紙付きというダイヤモンドなども、格安で手に入れることができます。
また、エイラットはただのマリンレジャー・リゾート地ではありません。この町が面している紅海は、インド洋につながっていることから、海運を利用した交易がとても盛んに行われ、その影響から湾周辺の商工業が発展し、著しい経済成長を遂げています。
1950年代の開拓当時は、人口も少なく小さな村でしたが、今では3万人を超える人々が健康的でエネルギッシュに暮らしを営んでいます。
恵まれた気候と環境を大いに活用した、娯楽と経済の融合するエイラットは、訪れる方々に必ず満足と感動を与えてくれることでしょう。あなたも一度足を運んでみませんか。
観光客で賑わうエイラットのビーチ