日健総本社は1988年、イスラエル国立ワイツマン基礎科学研究所と提携し、微細藻類の研究開発や商品化の協力体制を敷いている。
研究所は1934年、生化学者で、その後、初代大統領になったハイム・ワイツマン博士が、テルアブの南22km、エルサレムの西56kmに位置するレホボットの町に設立した世界トップレベルの研究施設。
1969年ヘブライ大学の修士課程を終えたアミー・ベンアモツ氏が、博士課程の研究に同研究所にやってきた。
モルデハイ・アブロン副所長の下で、イスラエルの「死海」に生息する「ドナリエラ・バーダウィル」の光合成の研究をはじめた。研究所ライフ・サイエンス研究棟の中に培養試験施設がつくられた。
研究所でドナリエラ・バーダウィルの培養に成功し、製造法特許を取得。ドナリエラ・バーダウィルの粉末化までこぎつけたが、事業化や販売のノウハウがなかった。
ワイツマン基礎科学研究所のモルデハイ・アブロン副所長らが来日し、クロレラ事業の現状を調べて歩いた。
日本でのドナリエラ・バーダウィル商品化の提携話が持ち上がると、一斉に大手の食品会社、石油会社などが次々と名乗りあげた。
モルデハイ・アブロン副所長らの調査で、クロレラ事業の先駆企業・日健総本社に白羽の矢が当たり・ワイツマン基礎科学研究所と提携した。
モルデハイ・アブロン副所長が亡くなると、ドナリエラ・バーダウィルの研究は、アミー・ベンアモツ教授に引き継がれた。長年の研究の結果、ドナリエラ・バーダウィルは抗酸化物質であることを突き止め、さらに藻体内に8%の天然ベータカロチンが蓄積する培養技術の開発にも成功した。
この技術で培養したドナリエラ・バーダウィルは、ニンジンの900倍以上ものベータカロチンを含んでいる。
その後アミー・ベンアモツ教授は、イスラエル国立海洋湖沼研究所教授となったが、エイラット培養工場・日健総本社の指導にあたっている。
それ以来毎年、日健総本社主催で「ドナリエラ・バーダウィルの父」アミー・ベンアモツ教授の講演会が各地で行われている。